東北大学公共政策    

柳 淳 YANAGI Jun

専攻科目

外交

略歴

 外務省出身の実務家教員。1988年に東京大学法学部を3年で中退して外務省に入省。英国Oxford大学で3年間研修しPPE(哲学・政治・経済)で学士・修士を取得。本省では、アジア、経済、インテリジェンス、パブリックディプロマシー等を担当し、在外ではナイジェリア、オーストラリア、ロシア、カナダの大使館に勤務し、日本外交の最前線で活躍。国際科学協力室長、西欧課長を経て、2012年9月から2年間の予定で退職出向中。

公共政策大学院での授業にあたって

 外交の理論と実践をテーマに講義を行う。学生が将来国際社会で活躍する自分自身を想像してワクワクするイメージを持てるよう、手助けをすることを旨とする。その際に必要となる、大局的な国際情勢の見方、外国に対する理解の深め方、戦略的な考え方、情報収集分析能力、アジェンダ設定能力、政策立案と意思決定、交渉能力などを、今後どうやって身に付けていけばいいか。学生がヒントを得られるように工夫している。各回の講義ではその素材として、時々の外交、国際問題を素材として扱う。

 講義では、「知識を一方的に教える」というスタンスではなく、全員が思考し対話と議論を重ねることを通じて、一緒に学び、知的刺激を与え合うことを重視している。 日本の再生と将来は若い人(人材)にかかっている、日本の安全保障と繁栄にとって外交よりも教育の方が大事である、教員は何らかの助けにはなり得るが最後は学生の主体性次第、と考えている。

 平成25年度のワークショップⅠ(M1対象)では、「東日本大震災が日本外交に与えた課題と機会」というテーマで担当し、学生のコーチングを行った。その過程を踏まえて、雑誌『外交』(時事通信社)の3月号に『災害外交』を寄稿。

研究室にて

 四半世紀の外交実務経験を、東北大学での研究と学生との双方向対話形式の「白熱授業」を通じて理論として昇華した、『外交入門 国際社会の作法と思考』(時事通信社)を2014年4月に出版。外務省内の書店で4月の売上一番に。狭い意味の外交に従事する者だけではなく、市民一人ひとりや学生の国際感覚、外交リテラシーを高める上で、必読、定番の読本となると期待される。

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