ワークショップD活動報告

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 2018年度のワークショップDは、「東北地域からエネルギー施策を考える」と題して調査研究活動を行っています。

 2011年の福島原発事故により、我が国のエネルギー供給の在り方が国政上の大きな論点の一つになりました。原発の取扱いのみならず、その代替として期待される再生可能エネルギーについても、そもそも原発を代替できるのか、固定価格買取制度により開発が進んでいるが、国民生活や産業活動への影響をどう考えるのか、など様々な論点があります。

 こうした議論に正面から取り組んでみよう、というのがワークショップDの研究テーマであり、折しも政府ではエネルギー基本計画の改定作業が進められ、この7月初めに新計画が閣議決定されました。しかし、政府計画を鵜呑みにせず、そこで先送りされた論点も含めて自分たちなりの考えをまとめるのがワークショップDのメンバーに課された課題です。

 こうした我が国のエネルギー選択について参加者の熟議により合意形成を図っていこうという取組みは、環境政策対話研究所という民間団体の支援により多くの大学の講義などで行われています。ワークショップDでも、この熟議の手法を取り入れ、2050年の日本の社会像はどのような姿が望ましいか、その社会像におけるエネルギーはどういう観点を重視して選択するのか、について熟議を行い、その議論を踏まえて具体的なエネルギー選択を行い、WEB上のシミュレーションモデルを使って、2050年の日本のエネルギー需給構造と温室効果ガス排出量の推計を行いました。

 また、これらの作業と並行して経済産業省東北経済産業局、東北電力、環境省を訪問し、エネルギー関連政策の最新動向、東北地域のエネルギー供給の現状、エネルギー事業者としての今後の経営方針、再生可能エネルギー普及のための環境政策などを聴取しました。こうした調査結果を踏まえ、2050年の日本のエネルギー需給における東北地域の役割を検討し、7月末の中間報告会に臨む予定です。

 中間報告後は、各地で取り組まれている地域エネルギー事業の現場なども訪問調査し、2050年の日本の望ましい未来社会像とそのエネルギー需給構造、東北地域が果たすべき役割などを明確にして、これらを実現するための政策提言を行いたいと考えています。

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