ワークショップB活動報告

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 本年度のワークショップBは、学部卒の学生3名、社会人(経験者含む)3名の計6名で「子どもの貧困対策の更なる推進に向けた政策研究」をテーマに調査研究に取り組んでいます。

 いわゆる「格差社会」に関心が集まる中、特に、子どもの相対的貧困率はOECD諸国の平均よりも高く、子どもの概ね7人に1人が貧困状態にあるとされています。子どもは自ら生まれる環境を選択することはできません。それを「運」として片づけ、自己責任を強調する社会は、果たして「フェア」な社会でしょうか。これがこのテーマの根源的な問いであると思います。

 国では、「子どもの貧困対策の推進に関する法律」、「子供の貧困対策に関する大綱」に基づき、「教育の支援」、「生活の支援」、「保護者に対する就労の支援」、「経済的支援」等に関する必要な施策を講じることとしています。本プロジェクトの対象地域である仙台市でも、本年3月に「つなぐ・つながる仙台子ども応援プラン」を策定し、更なる対策の推進に向けて始動しています。

 本ワークショップでは、まず初めに、基本書の輪読、国及び仙台市の現行施策の調査を行いました。その内容を踏まえ、ヒアリング調査として、仙台市の子供家庭支援課、教育委員会教育相談課、スクールソーシャルワーカーといった行政機関の方々に加え、市内の子育てふれあいプラザ(のびすく仙台)、学習支援を行っているNPO法人(アスイク)にも伺いました。ヒアリング調査は新たな気付きにあふれており、また、職員の方々の言葉にも重みがあります。

 「将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう」にするための子どもの育成と教育の機会均等が政策の目標ですが、そのための施策の範囲は非常に広範にわたります。その中から、本ワークショップとして、どのような考え方でどのような施策にフォーカスしていくのか、その課題と今後の検討の方向性をどのように設定するのか…中間報告に向けて、メンバー間の議論も次第に熱を帯びてきています。

 後期は、具体的な政策提言に向けて、市外も含め参考となる先進自治体や支援団体などのヒアリングを行いながら、調査研究を深めていきます。

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