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2019年度新入生オリエンテーション

 片平キャンパスの桜のつぼみを今しばらく春眠に誘う小雪が舞った4月2日、新たに集った34名の学生たちを交えて、新入生オリエンテーションが行われました。午前の歓迎挨拶や事務説明の後、午後には、早速、公共政策ワークショップⅠの担当教員によって、四つのプロジェクトの説明会が実施されました。

 まず、木村宗敬教授が、プロジェクトA「人口減少社会における地方行政のあり方〜秋田における今後の施策展開を考える〜」について説明しました。全国で最も厳しい人口減少が見込まれる秋田を対象とし、県と市町村のそれぞれの試みや全国レベルの行財政制度との関連を研究する予定です。秋田県庁でのご勤務経験を踏まえ、お酒に強い秋田の人々との宴席は体力勝負、との実践的な助言もあり、これから秋田の各地を数多く見て回る力強い意思が感じられました。

projectA

 次に、プロジェクトBの担当教員である飯島淳子教授から、「仙台市総合計画の制度的・実証的研究」の説明がありました。人生初との鮮やかなパワーポイント資料に基づいて、仙台市の概要や人口動態、そして総合計画制度や他都市の事例紹介などが続きました。飯島先生は、仙台市の次期総合計画(2021〜2030年度)を話し合う審議会の委員をお務めであり、それと「並走」するこのプロジェクトBは、まさに現在進行形の課題について学生ならでは視点から挑んでいくことが大いに期待されます。

projectB

 海外調査を含む国際問題を扱うプロジェクトCは、今年度は仙台光仁教授が担当します。「農林水産物輸出促進とインバウンド農泊による農山漁村振興策の研究」と題して、WTOの諸規律に抵触しない効果的な農林水産物の輸出促進策や、地方へのインバウンド拡大策としての農泊の課題などを探求する内容です。温和な笑顔に包みこまれた、ロシアやベルギーでの海外経験の豊富な仙台先生ならでは視角であり、輸出市場先である香港やベトナムを訪問したり、東北地方の農泊を実際に体験したりする新機軸のプロジェクトになりそうです。

projectC

 そして、深見正仁教授によるプロジェクトD「SDGsの達成を目指した協働プロジェクトを企画する」は、2015年の国連総会で採択された「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals; SDGs)に基づき、自分たちが実現したい2030年の社会を考え、制度的・経済的・社会的実現可能性を考慮した具体的な行動案を企画します。学生の自主性を最大限尊重される深見先生の方針は、ワークショップⅠを通した学生の成長可能性への深い信頼感に支えられたものであり、意欲的な学生たちの成果が今からとても楽しみです。

projectD

 この後、学生たちは四つの部屋に分かれて、各担当教員との個別説明会に参加しました。そこでの活発な質疑応答を踏まえ、学生たちは自分の問題関心に照らしたプロジェクトへの参加希望を表明することになります。四時間に及ぶ説明会のあとには、M2学生主催の歓迎会が催されました。教員や先輩との懇談によって、新入生は皆、本大学院での新たな生活をすぐに軌道に乗せられたことでしょう。

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