ワークショップC活動報告

 2019年度のワークショップCは、学生10名と指導教員3名で「農林水産物輸出促進」と「インバウンド農泊」の調査研究に取り組んでいます。

 農林水産省が中心となり取り組む「輸出促進」と「インバウンド農泊」は、一見すると全く異なる政策ですが、目的の中に共通するのはグローバルな需要による「農山漁村地域の再興・発展」です。海外の力を取り込むことで人口減少が加速する農村地域に経済効果をもたらし、地域の自立的な発展を目指す鍵となることが期待されています。

 本ワークショップでは、まず年度初めに文献講読や講演会の参加等により、農林水産物輸出や農泊に関する基礎知識を学びました。その後、実際に輸出促進や農泊に関連する業務に従事されている方々にヒアリングを実施しています。調査研究を開始して2ヶ月足らずですが、様々な立場の方に話を伺うことで、点でしかなかった情報が線としてつながり、文献講読だけでは見えてこない新たな知見を豊富に得ることができました。

 5月後半には、イチゴの海外輸出に取り組む先進企業を訪問し、輸出に関する取組を中心にお話を伺いました。輸出の障壁となる規制や輸送上の問題点など、実際に輸出に取り組む企業が感じる課題は文献からは簡単に得られるものではありません。ヒアリング後は、いちご狩り体験で大きく熟した実を存分に頂き、思い出に残るフィールドワークとなりました。

 6月には、「農泊優良プロセス事例集」にも取り上げられた、岩手県遠野市への訪問を予定しています。ワークショップCの多くの学生にとって、これが実は初めての農泊体験です。「遠野物語」ゆかりの数々の観光施設や、「ビールの里構想」を掲げたまちの魅力をどのように生かして農泊を推進しているのか、実際に確かめ見分を広めたいと思います。

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 さらに、秋には2グループに分かれての海外調査を予定しています。調査対象国は、現在の日本の農林水産物の輸出先第一位国である香港、そして近年の経済発展に伴い富裕層人口が増えつつあるベトナムです。現地市場の最新動向やトレンド、商習慣等について入念な予備調査を行い、実りある海外調査を目指します。

 また現在はヒアリング調査と並行しながら、7月下旬の中間発表に向けた課題整理を進めています。今後も大学内での研究に加えて「足で情報を稼ぐ」フィールドワークを実践し、情報の線を太く紡ぐとともに、太い線を織って大きな面とし、最終的に、ヒアリングにご協力いただいた皆様へ具体的な政策提言として還元できるよう、調査研究を深めてまいります。

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