ワークショップD活動報告

 ワークショップDは、「SDGsの実現を目指した協働プロジェクトを企画する」をテーマに活動しています。

 SDGsとはSustainable Development Goalsのことで、2015年の国連総会で採択された「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」の中に2030年に世界で実現したい17の目標(SDGs)が掲げられています。貧困の終結、健康な生活の確保、ジェンダー平等、人間らしい雇用、安全な都市、気候変動対策、平和で包摂的な社会など、人類の幸福のための包括的かつ理想主義的な目標群です。

 SDGsの実現を目指すなんて、大学院生の1年足らずの調査研究活動でできるのか?という疑問があろうかと思います。そのとおり、ほとんど実行困難なテーマ設定であることは担当教員が一番わかってます。でも今、世界中で政府、自治体、企業、NPO等の様々な主体がSDGsの実現を目指した取組みを始めています。そういう時期に公共政策大学院で学ぶ学生がSDGsも知らずに公共政策修士号を取得していいのか、公共政策を学ぶならば、少しはそういう取組みに触れてみた方がいいのではないか、机上のお勉強は散々やってきた大学院生だから、現実社会で様々な主体が実施している公共政策プロジェクトを実際に体験すること自体に意義があるのではないか、という問題意識で半ば無理やり設定したテーマです。

 そういう無謀な教員の発想を知ってか知らずか、9名のメンバーがWSDに集いました。ワークショップ活動では、まずSDGsの発想を理解した上で、メンバーが考える2030年に実現したい社会の姿を議論しました。「学び続けられ教え合う社会」、「多様性を認め合い誰一人排除されることのない社会」、「どんなに努力し挑戦しても決して報われない社会ではないこと」、「持続可能な環境や社会の上で経済成長が実現されること」などの意見が出され、こうした社会を実現するための具体的なプロジェクトを企画することがこのワークショップの課題になります。

 プロジェクトを企画するにも机上の空論では意味がないので、実際に世の中で行われているSDGs実現プロジェクトを調べてみよう、ということで、仙台で活動されている東北地域ESD(持続可能な開発のために教育)活動支援センターや一般社団法人ワカツクでお話を伺ったり、政府が認定したSDGs未来都市である東松島市、つくば市、横浜市にヒアリングに行ったり、多文化共生に取り組む宮城県国際化協会、子供の貧困問題に取り組むNPO法人居場所サポートクラブロベや足立区役所を調査したりしています。

 もっとも、話を聞くだけでは実態を知るには程遠いので、実際に一緒に活動してみろよ、と担当教員は尻を叩いているのですが、なかなかそこまでは踏み込めていないのが7月初めの現状です。今のところ、東北地域ESD支援センターが仙台で開催するESDフォーラムの企画運営会議に参加し、フォーラム開催を手伝ってみよう、という話だけが動いています。

 そういう意味で目下WSDは五里霧中、方向感覚麻痺状態ですが、これで7月末の中間報告会を乗り切り、プロジェクトの方向性を定め、プロジェクト企画を具体化し、最終的に報告書の執筆ができるのか、こりゃ見物だなあ、というのが担当教員の感想です。まあ途中で難破しようが溺れ死ぬわけでなし、やれるだけやってみろ、それ自体が貴重な経験になるし、なんかまとまれば単位ぐらいは認定されるだろう、と思います。

 頑張れ、WSD!

WSD

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