院長メッセージ

 片平キャンパスでは、美しく咲き誇る桜のなかで、新年度を迎えました。変わらぬ自然とは打って変わって、宮城県では新型コロナウイルス感染症の感染状況がこれまでにない深刻さを呈し、独自の緊急事態宣言に続いて、「新型インフルエンザ等対策特別措置法」に導入されたばかりの「まん延防止等重点措置」が適用される予定です。そして東北大学は、4月1日からBCPを改訂すると同時に改訂後のレベル3への引上げを行いました。

 こうした状況を前に、どのように新年度をスタートさせるか、公共政策大学院でも検討を重ねてまいりました。その結果、状況に応じた変更可能性を留保しつつも、4月5日のオリエンテーションは、片平キャンパスで新入生が初めて互いに顔を合わせてスタートを切れるよう、感染防止対策を十分に施した上で対面実施することといたしました。

 2020年度のWSは、パソコンの画面越しの2か月間を経て、6月にようやく対面での授業が始まりました。「密」な環境では自然に築けるはずの関係性が期待できないなか、学生・教員とも試行錯誤を重ねに重ねて、オンラインをも駆使して例年と変わらぬ成果を挙げることができました。

 このプロセスと成果は、今後につなげていかなければならないと強く思っています。ただ同時に、1年間の経験と教育上の効果・影響等に鑑み、2年目は、ここぞという節目には感染防止対策の下で生身の人間が相対する形でも教育活動を行えるよう、いわば教育面での「新しい生活様式」を実践していきたいと思っております。そのためには様々な配慮や対応が必要になりますし、失敗もあるかもしれません。考え方も心身の状態もそれぞれに異なる学生・教員の間で、相互の理解と信頼に基づいて遠慮のない議論を交わし、公共政策大学院の「これから」を作り上げていきたいと存じます。

 厳しい時間が続くなか、緊張感をもって、公共政策大学院の伝統を受け継ぎ、前に進んでまいります。今後とも変わらぬご支援とご協力を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

2021年4月1日
公共政策大学院長 飯島淳子

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