東北大学公共政策大学院Newsletter Vol.22
(2006年7月5日配信)

■入試関係日程・場所(2007年4月入学志願者用)

平成19年度(2007年度)公共政策大学院入学試験の予定が決まりましたので、お知らせいたします。

出願受付期間:平成18年9月4日(月)〜9月8日(金)
第1次選考試験:平成18年9月30日(土)(仙台、東京)
第1次選考合格者発表:平成18年10月13日(金)
第2次選考試験:平成18年10月28日(土)、10月29日(日)(仙台)
最終合格者発表:平成18年11月17日(金)

試験会場

第1次選考
 仙台:東北大学公共政策大学院(宮城県仙台市青葉区片平2丁目1-1)
 東京:東京八重洲ホール(東京都中央区日本橋3丁目4-13)
  http://www.yaesuhall.co.jp/
 出願者は、出願の際にいずれかの試験会場を選択してください。なお、東京会場については、受験者数等の事情により、東京二十三区内で会場が変更される可能性があります。

第2次選考(口述試験)
 仙台:東北大学公共政策大学院(宮城県仙台市青葉区片平2丁目1-1)

■教員エッセイ

今回は、戸澤英典助教授(国際政治学)のエッセイをお届けします。

個の強さ、チームの強さ

戸澤 英典

2006年のサッカーW杯もいよいよ佳境に入りました。あるいは、このニュースレターが皆さんのお手元に届く頃には優勝チームが(イタリアに)決まっている頃かもしれません。

ジーコ・ジャパンは予選リーグで2敗1分と惨敗に終わり、その敗因が喧しく分析されています。トルシエ監督の組織サッカーにより2002年日韓W杯でベスト16の成績を残した日本チームは、さらなる飛躍を目指して個の力を重視したブラジル型のサッカーへの切り替えを図ったものの、それはなお「蛮勇」だったのではないか、と。特に、高さ、当たりの強さ、どれだけ走れるか、といった個々の選手の能力でなお世界レベルとは開きがある、その底上げを図らなければトップクラスにはなれない、と。

この敗因分析を耳にしながら、私は自分が「にわか外交官」時代に抱いた日本外交への感想に通じるものを感じました。EU相手の日本外交の最前線である欧州連合日本政府代表部(EU代表部)に私は専門調査員として3年間勤務し、主にヨーロッパ議会を担当していました。日常的に接するEU官僚や各国代表部の外交官、議会スタッフやロビイストを見ていると、日本の外交官とは個々の「当たりの強さ」に差がある場合が多いような気がしました。外国語能力、多国間交渉の場での調整能力、レセプションの場での社交的な魅力や深夜まで貪欲に楽しむ体力・・・。

もちろん、一国の「外交力」は、個々の「外交官」の能力だけに依存するものではありません。その国の軍事力や経済力といったハードパワーや、歴史や文化的な魅力の持つソフトパワーの従属変数でもあることでしょう。また、国家戦略の明確な国家の外交は、組織プレーに優れたものとなることが多いかもしれません。

他方、EU代表部での経験は、対外政策を外務省が一元的に交渉する伝統的な外交が空洞化していることを痛感させるものでもありました。EU相手の日本外交は経済マターが中心となるため、EU代表部は「ミニ霞ヶ関」とも形容される陣容になっており、各省庁のアタッシェが担当部局と直接交渉することが主となっていました。情報革命を経た現代の国際交渉には、スピードと専門分化が要求され、「外交の一元化」を悠長に図っている余裕は失われつつあるということかもしれません。

グローバル化の進展する現代社会では、外交と内政がますます直結するようになってきています。国内行政や地方行政に携わる者にとっても国際的な問題群への感受性は不可欠であり、また国際交渉の場に臨む者には国内や地方の状況の把握と理解が一層求められています。一国のトータルな「外交力」は、公共政策に携わる者の個々の力にまずはかかっている――そのために次代の人材一人ひとりの「当たりの強さ」をどう鍛えればいいのか、日々考えています。

追記)このエッセイを書き上げた直後、フランスがブラジルを準々決勝で破り、一晩中お祭り騒ぎのパリで私は改めて悔しさを噛みしめる思いでした。

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