東北大学公共政策大学院Newsletter Vol.29
(2007年6月6日配信)

■東北大学公共政策大学院紹介ビデオのアップロードについて

 東北大学公共政策大学院のカリキュラム内容、授業風景、学生・教員のメッセージなどをビデオに編集しました。下記のURLにアップロードされています。
 スタッフと学生が心をこめて作りました。ごらん頂けますと幸いです。

http://www.publicpolicy.law.tohoku.ac.jp/outline/movie.html

■「発足4年目を迎えて」(院長インタビュー)

 今回は、渋谷院長へのインタビューをご紹介します。これは、アップロードされたビデオ「院長メッセージ」を再編集したものです。ビデオの方もごらん頂ければと思います。

東北大学公共政策大学院が創設され4年目になるわけですが、院長としてのお仕事をどうお感じですか?
 そうですね、公共政策大学院は、医学部や法科大学院などのように、その学部や大学院を出ないと医者になれない、あるいは法曹の仕事に就けない、というわけではありません。公共政策大学院を卒業しないと公務員になれない、というわけではありませんから。
 そうなると、一定の時間をかけて、学費を払って、この大学院に来ることにどのようなメリットがあるのか、そこを学生の皆さんにわかってもらわなければなりません。もちろん、ウチには入学するだけのメリットがある、入れば間違いなく力が伸びる、その点については我々としても自信を持っていますが、そこをどう伝えてわかってもらうのかが難しいところですね。
実際に渋谷先生が学生を指導されて、学生の成長を実感されるのはどのような時ですか?
 ワークショップなどを見ていると、学生は「じわじわ伸びる」というよりもむしろ「意外なところで、いつの間にか伸びていた」という感じです。最初は「彼らに果たして報告書が書けるのだろうか」と心配になることもありますが、ふと気がつくとしっかりやっている。「こんなことができるようになったんだ」と感じます。
学生が伸びるのは、何か「きっかけ」があるのですか?
 もともと潜在的な能力はあったのだと思います。厳しい面接を通過してくるわけですから。我々は、その力が伸びる「きっかけ」を与えているのだと思います。例えばインタビューをするにしても、もちろん基本的なスキルは最初に教えるんですが、あとは機会を与えれば自分でできるようになっていく。育っていくものです。
 泳ぎ方や自転車の乗り方は、机の上で教えられるものではない。実際にやらせてみないとダメなんです。実際にやらせてみるという機会があるのが、我々の大学院のカリキュラムの特徴です。
実践の機会であるワークショップが、この大学院のセールスポイントということでしょうか?
 そうですね。ワークショップで勉強したい、と志望動機を書いてくる学生もいます。実務のテクニカルな面を鍛えるだけなら会社に入ってからOJTで、オン・ザ・ジョブで身につくところもあるでしょう。理論を勉強するなら伝統的な大学の講義形式でいい。
 いま必要なのは、その両方、学問的な体系と実際的なスキルの両方を、同時に学ぶことなのです。それで初めて、評論家的レベルや日常的・表層的なレベルから、より深いものに到達できるのだと思います。
現場と大学の両方を同時に見て初めて見えてくるものがある、と?
 そうです。公共政策に携わる者は、日常業務のルーティンの中に埋もれてしまってはいけない。一歩外から、批判的に見る目が必要です。我々はそういう視点を身につけられるような教育を目指しているつもりですし、それが実現できているのではないかと思います。
公共政策を学ぶ学生には、具体的にどのような資質が求められるのでしょうか?
 意欲と能力、その両方ですね。公共、「公」というものに携わるという意欲。べつに国でなくても、地元のために働きたい、というのでもいい。能力については、高校や大学時代の基礎的な勉強は必要です。例えば高校時代は数学なんて何の役に立つのかと思っていましたが、自分はたまたま税法を専門にしたため、高校の数学が役に立っています(笑)。基礎的な勉強は、自分の将来の可能性を広げてくれます。そして、コミュニケーション能力。これももちろん重要だと思います。
 刑法を学んだとしたら、ある罪は刑法何条かは忘れてもいいが、その罪を犯してはいけない。知識は忘れてしまってもいいが、学んだことは身につけて活かしてほしい。組織に入ると、中には仕事で刑法に触れるようなこともあるかも知れない。そういう時に漫然とそこに行くのではなく、立ち止まって考えてほしい。学問を修めたのであれば、物事を批判的に見る姿勢を忘れないでほしいと思います。
最後に、学生の皆さんに一言メッセージをお願いします。
 東北大学公共政策大学院は決して楽なところではありません。2年間という短い期間で、勉強もし、ワークショップもこなし、就職活動で内定をとらなければなりません。公務員になる人は試験勉強も必要です。学部生と同じつもりではダメで、自分と同じ世代はもう社会人なのだから、社会人と同じ労力を費やすのが当然です。
 学生で研究だといえば誰でも会ってくれる。そうした学生の特権は活かしつつも、学生の身分に甘えることなく、社会人に負けないように頑張ってもらいたいものですね。
本日はありがとうございました。

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