東北大学公共政策大学院Newsletter Vol.31
(2007年7月19日配信)

■平成20年度(2008年度)東北大学公共政策大学院入学試験募集要項の発表

平成20年度(2008年度)公共政策大学院入学試験の募集要項がホームページ上に発表されました。下記のURLをご覧下さい。

http://www.publicpolicy.law.tohoku.ac.jp/admission/2008/application_guidelines.pdf

■京都での説明会会場の変更

7月27日、28日に京都で行う説明会は、京大会館からキャンパスプラザ京都に変更になりました。時間も27日は20:00〜21:00、28日は14:00〜15:00に変更されました。

7月27日(金)20:00〜21:00
キャンパスプラザ京都第2演習室(JR京都駅前)
所在地 http://www.consortium.or.jp/campusplaza/guidance.html

7月28日(土)14:00〜15:00
キャンパスプラザ京都第2演習室(JR京都駅前)
所在地 http://www.consortium.or.jp/campusplaza/guidance.html

■2008年度東北大学公共政策大学院パンフレットの発表

2009年4月入学生を対象とした2008年度の本大学院のパンフレットが完成しました。下記のURLに掲載されています。紙媒体のパンフレットをお求めの方は、本大学院専門職大学院係までご一報下さい。

http://www.publicpolicy.law.tohoku.ac.jp/misc/brochure/brochure_2008.pdf

〒980-8577 仙台市青葉区片平二丁目1-1
東北大学大学院法学研究科・法学部 専門職大学院係
TEL:022-217-4945  FAX:022-217-4947

■教員エッセイ

今回は、西久保裕彦准教授からのエッセイをお届けします。

地域社会と公共政策の授業について

西久保 裕彦(実務家教員・環境省より派遣)

東北大学公共政策大学院では、昨年度から新たに地域社会と公共政策という授業を始めています。今年度前期は私が担当教員を仰せつかっていますので、今回は、この地域社会と公共政策についてご紹介したいと思います。

地域社会には、例えば、公共事業はどうあるべきか、地域の自然保護はどの程度、また、どういうふうに行ったら良いのかなど、いろいろな問題があります。しかし、その問題についての見方は、見る人の立場や考え方によって違っています。例えば公共事業について、地域のために必要だと考える人もいれば、無駄だと考えている人もいます。自然の保護や利用についても様々な立場と意見があります。したがって、このような問題解決のために具体的な政策を考えていくには、様々な立場から見るとどう見えるかを学び、それをもとに多角的な検討を行っていく必要があります。

このため、地域社会と公共政策の授業では、地域社会で重要な問題となっているテーマについて、行政の担当者の立場、地域社会のリーダーの立場、事業者の立場、NGOの立場など異なる立場の方に講師として来ていただき、複数方向からの講義及びディスカッションを行う(地域社会と公共政策I)とともに、それに基づき少数の学生が演習形式で具体的な政策提案について検討(地域社会と公共政策II)を行っています。

今年度前期は「我が国の、あるいは地域の財産である自然環境の保護と利用はどうあるべきか」というテーマを取り上げ、以下の方々に講師として来ていただきました。

  • 自然環境保全政策を担当する国の機関の立場から
    環境省東北地方環境事務所 統括自然保護企画官 水谷 泰史 氏
    (東北地方の自然環境保全政策に関する環境省の実質的な責任者の一人)
  • 自然環境の利用に関わる事業者の立場から
    体験村・たのはた コーディネーター 渡辺 謙克 氏
    (陸中海岸国立公園の北山崎で体験型の観光を実践されています)
  • 地方公共団体の立場から
    岩手県二戸市長 小原 豊明 氏
    (二戸市のリーダーとして、地域の宝という視点から身近な自然の保護などに取り組んでおられます)
  • 国の環境政策に批判的なNGOの立場から
    八甲田・十和田を愛する会代表 久末 正明 氏
    (十和田八幡平国立公園の管理のあり方について厳しい批判をされています)

写真1 写真2
(二戸市長による講義の様子)

いずれの講師も自然環境の保全と利用の第一線で活躍されておられる方々であり、そのご経験と具体的な現場の状況に基づいたお話を聞くことができたことは、大変有意義だったと思います。学生たちも積極的に質疑応答に参加し、質疑応答の時間が予定の1時間半を大幅に超過することもありました。

ただし、実際に授業を行ってみると、やはり課題があることにも気づかされました。地域社会の問題に共通することですが、特に自然環境の問題については現地の状況を実際に体験することが極めて重要です。それぞれの講師の方々はパワーポイントや現地の写真などを使用し、なるべく現地の雰囲気を伝えるように努力されていましたが、やはり本当は実際に現地に足を運んでみることが望ましいと感じました。この点は学生たちの自主的な努力に期待したいと思います。

また、学生たちからの質問についても、講師の立場や担当教員である私に過度に配慮して、問うべき質問を自主規制しているのではないかと感じることがありました。特に、私の出身省庁である環境省に対する批判については、私にももっと厳しい質問を向けるべきだったと思います。もし、大学院という小さな組織の中での居心地を重視して、社会の問題を解決するために必要な課題に正面から取り組まないということであれば、公共政策を考えるという観点から見れば非常に問題です。学生諸君には、もっと生意気になってほしいものだと思いました。

このように課題もあるものの、地域社会と公共政策IIで行う演習のための材料はいろいろ得られたと思います。演習に参加している学生たちが作成するレポートを楽しみにしています。

(余談その1)法科大学院のメールマガジンについて

法科大学院のメールマガジンに、私が公共政策大学院と法科大学院の共通授業として担当している環境法についての記事を書きました。この記事は、もっぱら法科大学院生及び法科大学院生を志す学生に向けて書かれていますが、実際の授業ではレポートのテーマ等について公共政策大学院生のニーズも十分考慮して授業を行っています。

7月9日のメールマガジンに掲載されていますので、よろしければご覧下さい。
http://www.law.tohoku.ac.jp/lawschool/lawmm/vol19.html

(余談その2)東北大学での2年間の経験について

早いもので、仙台に着任してから2年が経過し、今月末に東京に戻ることになりました。

大学の仕事は、授業や演習などの教育面、自分の専門についての研究面、大学や大学院の管理面、それから地域社会への貢献面の4つに大別できると思いますが、どの分野についても、2年間という限られた時間の中でできることはやったのではないかと考えています。また、都会でありながら自然も豊かで、おいしい食べ物も豊富な仙台での生活も十分満喫することができましたし、この機会を利用して東北の各地を訪れ、経済指標では表すことのできない様々な素晴らしさを味わうこともできました。本当に充実し、また楽しい2年間だったと思います。同僚の教員職員のみなさま、そして私の拙い指導に耐えてくれた学生諸君に深く感謝したいと思います。

もっとも、研究面でまとまった論文などを完成することができなかったのは正直少し残念です。もう少し長く東北大学に在籍して、本格的に研究に取り組みたかったという気持ちもありますが、公共政策大学院の先生方との里山保全に関する共同研究も始まっていますので、今後も行政に携わる傍らで研究も続けていきたいと考えています。

また、この2年間行政実務を離れて環境政策を分析評価してきた中で、実務の場で取り組んでみたいこともいろいろ出てきました。研究や教育も楽しいけれども、実際に世の中を動かす政策実務の楽しさもまた格別ですので、来月以降は初心に帰って職務に取り組みたいと思います。

東北大学のみなさま、そして仙台のみなさま、またお会いできる日を楽しみにしています。

▲このページの先頭へ