■過去の実務家教員一覧
本大学院では、実務家教員は、専任教員として2〜3年教育にあたった後、出身省にもどるという仕組みをとっています。これは、最新の政策情報にもとづいた大学院教育を目指しているからです。このページには、大学院の設立と教育に従事した後、帰任した実務家教員のリストを掲げます。
尾崎久仁子(外務省)
2004年度パンフレットより
現在,国際的視野を持たずして語り得る公共政策は存在しないといっても過言ではありません。これは単に政策の対象分野が国際化しているということではなく,あらゆる政策が,多様な価値観や国際的な公共益をも念頭において策定され,あるいは評価されなければならないことを意味します。公共政策大学院の考える『国際化』とはこのようなものです。
- Vol.2 (無題)
上村直(財務省)
2005年度パンフレットより
あなたは公共政策実務の現場を知っていますか?名前を知っている機関は幾つありますか?それらの機関の目的や最近の活動状況はどうでしょう?どのような組織なのでしょうか?公共政策大学院で学ぶことは、公共政策実務の世界へ広く目を向けることに繋がります。公共政策ワークショップの活動を通じ、国や地方の行政機関を始め様々な実務現場とのインターフェイスが提供されます。地元の官公庁での実習を体験するインターンシップも導入されています。コア・カリキュラムでは行政が直面する最先端の課題が論じられます。行政実務出身の教員も多数配置されています。今まで知らなかった政策実務の世界が見えてくると思います。
- Vol.3 理論と実務の協働とは?
- Vol.11 模索と希望(ワークショップ報告)
三好信俊(環境省)
2005年度パンフレットより
公共政策は「公」の価値を担うものであり、その反対語は「私」ということになるようです。他方で、我が国では「官」と「民」という対語もよく用いられ、しばしば「官」が「公」を独占しているかのような錯覚におちいりがちです。しかし今日の社会において、「民」(=市民)は公共政策の客体に甘んじることは許されません。そして、それであるが故に一層、政策プロフェッショナルとしての「官」の役割は大きなものとなっていくのではないでしょうか。公共政策ワークショップを通じて考えていきたいテーマです。
- Vol.1 「想像力」と「総合力」
- Vol.13 其情有余、其詞不足?
田口左信(経済産業省)
2006年度パンフレットより
公共政策の企画・立案・実現を担っていくのに必要なものは何だろうか?志?哲学とか歴史観・社会観?知識とか技術?実力とか活力?
(自分のことを棚に上げて書きますが)多分、そのすべて、というかそれ以上の「何か」が必要なんだろうと思っています。自分が身に付けてきたものはその一部でしかないのですが、2年間で、できるだけ多くの何かを学生に「ぶつけて」いるつもりです。そこから、学生の中に新たな飛躍が生まれてくることを、できれば自分自身も少しでも成長したいと、そう願うばかりです。
- 試行版Vol.1 雑感
- Vol.5 「政策プロフェッショナル」の専門性
- Vol.9 (無題)
- Vol.16 人材
松原明紀(農林水産省)
2006年度パンフレットより
私の担当する公共政策ワークショップTプロジェクトAは「『食』と『農』が共生するまちづくり」をテーマにしてスタートしました。2ヵ月が経過しましたが、学生たちは入口付近で悩んでいるようです。しかし、ワークショップにおいては、教員が準備した回答をなぞるのではなく、自分たちで考え、議論し、道を見付けてこそ、「政策実務能力」が得られるものと信じています。昨年度入学の1期生もそのように歩んできました。
- Vol.12 変わったもの、変わらないもの
- Vol.21 実務家教員による講義の企画立案過程
渥美恭弘(財務省)
2007年度パンフレットより
現在私が担当している「ワークショップT」では、地域経済の活性化のための地域金融機関の課題及びそれをサポートするための行政サイドの政策について、日々、戸内・戸外の調査を精力的に進めています。2ヶ月が経過したところで、学生は未だ暗中模索の悪戦苦闘状態ではありますが、郷土に対する熱い思いを胸に、自らの考えをお互いにぶつけ合い切磋琢磨する中で、「グループとしての活動の仕方」を学んでいるようです。そこに「ワークショップT」の大きな意義があるのです。
- Vol.19 新米教授の仙台奮闘記
西久保裕彦(環境省)
2007年度パンフレットより
学生と社会人の違いはたくさんありますが、時間のとらえ方もその一つではないかと思います。私も学生だった頃は時間は無限にあるように感じていたものですが、社会人になると極めて限られた時間の中でプロとして仕事をすることが求められます。公共政策ワークショップでは、学生でありながら社会人と同じような時間感覚を持ち、時間的制約の中で質の高い仕事をできる能力を身につけることを目指して取り組んでいます。
- Vol.17 正解について
- Vol.25 ワークショップI中間報告会を終えて
- Vol.31 地域社会と公共政策の授業について
西村篤子(外務省)
2008年度パンフレットより
近年、グローバリゼーションの進展とともに、国内行政の分野にも国際的な規律が及ぶようになり、また、冷戦後の新たな脅威など多くの課題に直面している国際社会が、適切なルールと制度を実現できるかどうかは、今後の日本の安定と繁栄に直結する問題となっています。日本の国益を踏まえて、グローバルなルール・制度づくりを担うことのできる意欲と能力を備えた人材が育つことを期待しています。
- Vol.15 (無題)
- Vol.23 デジタル・ディヴァイド
佐分利応貴(経済産業省)
2008年度パンフレットより
近代医学の発展は、天然痘の撲滅(1980年)をはじめとする数々の恩恵を人類にもたらしました。同様に、戦争・貧困・いじめなど、高度化・複雑化する現代社会の病を治療するためには、社会問題を解決する科学=社会医学の発展が不可欠です。人の医者を志す人には医学部があり、社会の医者を志す人には理論と実践を融合し日々進化を続ける「社会医学部」=東北大学公共政策大学院があります。我々とともに、世界を救いましょう。
- Vol.26 (無題)
原田賢一郎(総務省)
2008年度パンフレットより
現在、私が担当している「公共政策ワークショップT」では、「平成の市町村合併」を契機に注目を浴びている「地域自治組織」のあり方を題材に、「住民自治の強化とは」、「行政と住民との協働の推進とは」などといった地方自治に関する最先端の課題について、複数の市町村の現場に入り込んで検討を重ねています。学生たちは現場の多様性に戸惑いつつも、具体的な政策提言を目指して日々熱い議論を重ねています。こうしたことを通じて政策形成能力を修得することこそ、本大学院で学ぶ意義であると確信しています。
- Vol.27 「政策立案型」授業について感じたこと・考えたこと
海野洋(農林水産省)
2009年度パンフレットより
「食料問題」に対する関心が、このところ急速に高まっています。国内ではカロリー・ベースの自給率が4割を切り、他方海外農産物の価格高騰も大きく報道されています。また、農産物の生産・流通は、安全安心の面からも重要な問題となっています。
このような時期に、私の担当する「公共政策ワークショップT」では、「農業を軸とする地域振興策」をテーマとして取り上げ、M1の諸君が熱い議論を交わしています。国民の関心の高い問題について、東北という農業の地でその実態を踏まえて政策提言をしていく、正に本大学院らしさが発揮される場と言えるでしょう。
- Vol.34 仙台に吹く新しい風
生田長人(国土交通省)
2005年度パンフレットより「東北大学公共政策大学院における教育の特色」
公共政策大学院は、将来主に公務に携わる方々に必要な資質を育てるための専門職大学院なのですが、ここで育てるべき資質とはどういうもので、それをどういう方法で行うかという点については、これまで必ずしも明確に意識した教育が行われてきたとは言えないところがあります。私自身は、こうした資質能力を「スキル」と「アビリティ」に分けて考えていくべきだと思っています。この区分自体、曖昧なところがあるのですが、例えば、前者の例としては、「多くの価値ある情報を自らの力で収集・分析する能力」、「自らの考えを表す能力」、「説得・交渉を行う能力」、「ものごとをマネージする能力」などがあげられると思います。また、後者の例としては、「現実の事象の中から問題を見いだし、その本質を見抜く力」、「自分の頭で考え、判断する力」、「政策の企画立案をはじめとする創造する力」、「周りの人達を惹き付けることのできる力」などがあると思います。
これらの資質能力には、教えることのできるものと教えることが難しいものがあるのではないかと思います。例えば、スキルの多くはある程度教えることが可能なのですが、後者の能力の多くは「自らの体験を通して学び取るしかない」のではないかと思われます。
私共の公共政策大学院では、この後者の能力についても身につけることができるよう、ワークショップなどのメソッドを用意しているのですが、それでもこの能力は自らが努力しなければ何ものも得られないというものですから、教えてもらいたいと思うだけで、自ら学びとろうとしない方は、私どもの大学院とは無縁ということになります。
ところで、公務に携わる方々には、上記のような能力資質の他に、「高い志」や「強い倫理観」「透徹した歴史観」などが必要だと考えます。どうすれば、私どもの社会がもっとよくなるのだろうという意識を持ち続ける力、いかなる場合でもしてはならないことを自らに言い聞かせることのできる力、ものごとを様々な高さから見る「目線」といったものですが、これも、多くの人と真剣に接し、多くの書物と巡り会うことなどを通してしか得ることができないのかも知れません。私ども教員は、僅かにその手伝いができるだけなのです。
2006年度パンフレットより「私たちの公共政策大学院の目指しているもの」
私たちが生活している現在のこの国の社会が、世界の国々の中でもたいへん豊かな社会であること、貧富の差がそれほど大きくない社会であること、基本的自由がほぼ完全に保障されている社会であること、また、少し翳りを見せてはいるものの、比較的安全で、平和が保たれている社会であること等について、大きな異論を唱える方は少ないのではないかと思われます。
しかし、これらの状態が、過去の歴史の中ではかなり奇跡的に実現されたものであるらしいこと、このような社会を維持していくことが極めて難しいだろうこと、いずれ近いうちに私たちはこれらのうちのどれかを諦めなければならない状況に直面し、何らかの形で選択を迫られるであろうこと、これらのことを意識するとしないにかかわらず、私たちの多くはこの社会の将来に漠然とした不安を感じていること、こういったこともまた、同時に今日の状況かも知れません。
このような状況の下で、かつて誰の目にも明らかなように思えていた「公益」は、必ずしもそう定かなものではなくなってきたと感じられつつあるようですが、それだけに、行政に携わる者は、常に自らに対して、実現しようとしている「公益」とは何かを問い続ける姿勢が要請されているのではないかと思えます。
私たちの公共政策大学院は、将来、行政の仕事に携わろうと考えている方々をはじめとして多くの方々に、このような「公益」について考える力を備えていただき、これからの時代をしっかりと担ってもらいたいと考えています。
2007年度パンフレットより「自ら学ぶことの大切さ」
私たちの公共政策大学院では、今日の時代における「公益」とは何かを、学生諸君に正面から考えてもらうことが最も大切なことだと考えています。
今年度からスタートした「地域社会と公共政策」講義では、地域社会が直面している深刻な課題を取り上げ、立場の異なる複数の外部講師により、異なる視座から、同じ問題を議論してもらい、公共政策が実現しようとしている「公共性」に様々な側面があること、様々な「目線」の高さをもつ必要があることを認識してもらうための授業を行っています。今期の課題は「地域社会と公共事業」ですが、公共事業が地域社会に果たすべき役割とそのあり方を巡って熱い質疑が交わされています。また、当大学院設立以来、着実に成果を挙げてきた公共政策ワークショップでも、学生諸君は、与えられた政策課題の解決に向けて、初めて経験する政策立案過程の作業の中から、多くのことを学び取りつつあるようです。
私たちの公共政策大学院では、教えてもらうことより、「自ら学ぶ」ことに、より重点を置いた授業が展開されています。
2008年度パンフレットより「私たちの責務」
かつて地域社会などが果たしていた公「共」的機能を肩代わりする形で肥大化を続けてきた行政分野は、現在、厳しい財政事情を背景に、その縮小見直しが進められています。今後人口の減少や高齢化が進む中でそれ自体は無理からぬところであると思うものの、その見直しに当たってしばしば耳にする「民でできることは民に」というキャッチフレーズには、些か首をひねりたくなります。
特に最近私たちの社会を揺るがしている安全・安心の分野に関しては、「民にできることであっても、民がするにはふさわしくないものがある」ことを改めて痛感せざるを得ないような不幸な事態が続いています。
採算性や効率性が最重要視される民の手に任せていたのでは不幸に見舞われるおそれのある多くの人たちに対して、縮小せざるを得ない行政資源でどのように対応するかは、今、私たちの社会に突きつけられている一つの重要な課題だと思われます。
何を「公」が行うべきこととして残し、何を「共…地域社会等」の手に戻し、何を「民」に任せるのか。
私たちの公共政策大学院の使命は、人を大切にし、次の時代にふさわしい「公」「共」「民」のあり方を考えることのできる人を育てることにあると私は思っています。
苦瀬雅仁(環境省)
2011年度パンフレットより「真の問題点を発見し解決していく力を」
解決すべき社会問題が複雑化する今日、“真に解決すべき本質的問題が何か、その解決の鍵となる要素は何か”を正確に捉え、合理的で有効な対策を見出し、問題を解決していくことがますます重要になっています。
それは実は難しいことですが、だからこそ今日それを可能とする高い実戦力を持った実務家が求められます。現実的かつ論理的な思考・議論を重ね具体策を提言していくワークショップ等の本大学院の徹底した少人数教育を経てそうした力を持つ人材として飛躍してください。
小玉典彦(国土交通省)
2010年度パンフレットより「地に足の着いた政策提言を目指して」
本大学院の特長的な授業のひとつに「公共政策ワークショップT」がありますが、ここでは、現場の実態を踏まえた、地に足の着いた政策提言をまとめるという、机上の議論だけでは決してできない貴重な経験をすることができます。私の担当するワークショップでも、「地域の手による新たな道路管理のあり方」というテーマについて、学生たちが、道路管理の現場に入り込みながら、地に足の着いた政策提言をまとめ上げるべく日々奮闘しているところです。私も実務家教員として、今までの役人生活を通じて得たものを、なるべく多く学生たちに伝えていきたいと思っています。
2011年度パンフレットより「仙台の地で熱い議論を」
昨年度担当した公共政策ワークショップTでは、社会経済情勢が大きく変化する中で新たなニーズに対応した道路管理のあり方はどうあるべきかというテーマについて、宮城県大崎市をフィールドとして、机上の議論だけではない地に足のついた政策提言をまとめるべく、8名の学生と共に1年間奮闘してきました。
今年度前期は、社会資本整備政策演習を開講しています。社会資本整備をめぐる様々な政策課題のうち、八ツ場ダムの建設中止や高速道路の無料化など社会的にも議論となっているような問題を取り上げ、事実関係はどうか、どのような論点があるのか、方向性はどうあるべきかなど、皆で熱い議論を重ねているところです。
- Vol.40 10年を振り返って
西泉彰雄(総務省)
2011年度パンフレットより「『現場の分かる』政策プロフェッショナル」へ
「課題は現場にある」。これは私も実務経験を通じて痛感していることですが、一方、現場主義を実践することは「言うは易く行うは難し」です。「公共政策ワークショップ」では、この現場主義を実践すべく様々な現場に飛び込むことになりますが、容易には真の課題に辿り着けず、戸惑いと試行錯誤の連続になるでしょう。しかし、その経験は得難い財産になるとともに、その過程で多くのことを学び、「『現場の分かる』政策プロフェッショナル」へと成長していく重要なワンステップとなることを確信しています。
久武昌人(経済産業省)
2011年度パンフレットより「自由な発想」
私の研究室の窓からは、植物園とそれに連なる山々の緑が鮮やかに見えています。「杜の都」を実感するときですが、その向こうにはとてもモダン?なテレビ塔があり、シュールな風景でもあります。ふと、これをモチーフにどんな絵を描くことが出来るのだろうか、と考えてしまいます。 マグリットなら? ダリなら? あるいは、風景画はほとんどないようですがフェルメールなら?
今、なぜ他の画家の名前が出てこなかったのでしょうか。それは私自身の持つ一種のバイアスによるのかもしれせん。ここ仙台での私の「モチーフ」、それは、「公共政策大学院は広義の政策形成過程の一構成要素であり、その態様は、国会、行政、シンクタンク等のそれと共に、一種のナッシュ均衡をなしていると考えられるのではないか。そうであるとして、自分が関与できるこの空間で何をなすべきかを考えること。」だと言って良いと思います。
予断を持って見ず、深く考える。容易なことではありません。どうすればよいのでしょうか。学生のみなさんと共に良く考えて行きたいと思っております。
諏訪園貞明(公正取引委員会)
2011年度パンフレットより「政策立案を学ぶ理想郷」
これまで日銀、公取委、経済産業省と様々な職場で、新業務拠点の建設プロジェクトの企画立案、所管する法律の四半世紀振り、あるいは三十数年ぶりという大きな改正作業に携わる機会等に恵まれましたが、いつも後で思うのは、反省点も決して少なくなかったという思いです。こういう政策の企画立案について勉強できるところで学ぶ機会があればよかったのにと思うことしきりでしたが、この公共政策大学院に赴任して、「まさに、ここは、その理想郷じゃないか。」と学生達をうらやましく思っています。日々、熱い議論が戦わされ、日本の行く末を見つめる研究ができるこの大学院に来て、より望ましい公共政策実現に向けて一緒に汗を流しましょう。
- Vol.42 「薔薇の名前」・「法の精神」・「東北大公共政策大学院」
橋本逸男(外務省)
2012年度パンフレットより「公共マインドある外交を求めて」
公共政策大学院は、公共マインドのある有為の学生、研究・実務両系統の教員の夫々の特長を活かした指導、社会からの高い評価と期待、の三つの存在が相俟つと、理想的に機能し、大きな成果を挙げ得ると思います。希望進路が何であれ、“公共” 的な志操を持つ、“ 志の高い” 諸君よ来れ!諸君は、この緑豊かな学都仙台で、大震災からの東北、日本の復興を実地に感じ、或いは、自ら貢献しつつ、研鑚を積んで、選択する職種の如何を問わず、必ずや社会に貴い貢献を為し得るに至ると信じます。
私は、と言えば、国の存亡に関わる、“公共” 的な重要分野たる対外政策の分野で、主に中国やASEANを視野に入れ、我が国の対外関係、外交力を強化する方途を追い求めています。
- Vol.42 バンクーバー・オリンピックに外交を想う――随想
