(参考資料)
2014年4月入学用の入試関係情報

東北大学公共政策大学院入学試験
小論文問題(平成25年9月28日実施)

次の4題のうちから1題を選んで論じなさい。

<内政関係>

1.近年、アジアの急速な経済発展や環境悪化に伴い、黄砂や大気汚染物質が我が国に飛来することが懸念されている。平成25年には、大気汚染物質の一つである微小粒子状物質(PM2.5)について、西日本の広い地域で日本の環境基準を超える濃度が一時的に観測され、中国の大気汚染による影響の懸念が高まった。他方、高度経済成長時代の著しい大気汚染は克服したものの、現在でも大都市地域の自動車排出ガスなど国内の課題は残っている。
 大気汚染物質の排出源が国境の内外にわたる場合、国民の健康を守るため、環境政策をどのように進めるべきか、課題を整理しつつ、あなたの考えを述べなさい。

2.東日本大震災の復興においては、地域の絆やコミュニティが注目された。近年、地域活性化、福祉、環境など様々な課題に対しコミュニティによる取組が行われている。コミュニティ協議会等を中心としたまちづくりや、商店街、中山間地域などにおけるコミュニティビジネスなど様々な形態がみられる。
 公共政策におけるコミュニティの意義について、あなたの考えを述べなさい。また、自発的な民間活動に対して、行政はどのような支援策を講じるべきか論じなさい。

<経済関係>

3.市場競争によると独占が生じる自然独占分野に関して、政府規制を必要とする理由、政府規制によって生じ得る問題及び技術革新による影響に触れつつ、政府の役割について概観しなさい。
 その上で、主に自然独占性の観点から政府規制が論じられてきた電気、都市ガス、電気通信等の事業分野のうちあなたが特に関心を有する事業分野を一つ取り上げ、その事業分野における政府規制や競争の状況に触れながら、今後において政府が採るべき施策について、あなたの考えを述べなさい。

<国際関係>

4.「冷戦終了による米ソ対立という明確な外交の座標軸の消滅や、総理大臣の権力基盤が自民党内の派閥力学から国内世論に移るなど、国際社会と国内状況の変化も受けて、近年日本では、相対的に外務省主導に代わり首相官邸主導外交の傾向が強まってきている。昨今の、TPP交渉参加決定の過程や内閣官房を中心としたTPP交渉体制、国家安全保障会議(いわゆる日本版NSC)設置に向けた動きも、その一環として見ることができる。」と言われる。
 首相官邸主導外交の傾向が強まっているとしたら、その背景要因は何か、首相官邸主導外交にはどのような意義とリスクがあるかについて論じたうえで、外交(政策立案、意志決定、外交交渉など)における政治指導者と官僚とのあるべき関係について、あなたの考えを述べなさい。

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