2019年4月入学用(第1期募集)の入試関係情報

1. 公共政策大学院アドミッション・ポリシー

 東北大学公共政策大学院が受け入れる学生像とは、「公共政策ワークショップ」をはじめとするカリキュラムによって、他の学生と切磋琢磨しながら自己の能力を一層涵養することのできる人物であり、具体的には以下の資質を持つ人物です。

  1. 学部で学んだ専門知識を基盤としつつ、公務及び公共政策の立案・制度設計について多角的な視点から学習する意欲と基礎的な能力を有すること。
  2. 討論・交渉・文章作成・プレゼンテーションなどコミュニケーション能力を豊かに持ち、集団作業に貢献できる適性を有すること。
  3. 公共性への情熱を持ち、公務に対し献身的な資質を有すること。

 したがって入学試験では、特定の行政課題に関する基本的な理解とそれに基づき考察する能力を有していることを考査するとともに、「公共政策ワークショップ」において集団作業に積極的に参加する人物であることを面接で審査します。これによって、特定の学部の卒業生に偏ることなく、様々な学部の卒業生や社会人経験を持つ者から多様な学生の受け入れを進めます。

 なお、第1期募集における入学試験合格者数等の状況を勘案して、第2期募集(平成31年1月実施予定)の募集人員を決定します。第2期募集の募集要項の公表は、11月下旬を予定しています。

2. 入学試験の概要

 入学試験は、提出書類、小論文および口述試験の総合判定により行います。

3. 小論文

 小論文の問題は、内政関係の政策課題、経済に関連する政策課題、および国際関係の政策課題の3分野から出題します。受験者は、その中から一つを受験時に選択して、小論文を作成します。ここでは、受験者の具体的な政策課題への対処法として作成された文章から、受験者の法学・政治学についての基礎的な理解を考査し、かつ現代社会が抱える政策課題についての基礎的な知見を審査することが目的となっています。
 小論文では、例えば次のような問題が出題されます。

内政関係の政策課題 1.人口減少・少子高齢化に伴いその行財政基盤が弱体化するため、今後、住民に適切な行政サービスを提供することが困難な小規模な市町村が多く発生することが想定される。
 そのような市町村の区域に居住する住民に対して、引き続き、必要な行政サービスを提供することを可能とするための対応策に関して、あなたの考えを述べなさい。
2.現行の社会保障制度においては、生活保護、失業手当、公的年金など所得保障として一定の条件を満たす者に金銭給付を行う制度が存在する。一方で、経済的格差の拡大などを背景に、国家が全ての国民に無条件で基礎的な所得を保障する「ベーシックインカム」という制度を導入すべきとの意見もある。
 こうしたベーシックインカムのメリットと問題点の双方について論じた上で、かかる制度を我が国に導入することの是非について、あなたの考えを述べなさい。
経済に関連する政策課題 3.地球温暖化対策として「カーボンプライシング」が世界的に注目を集めており、日本におけるカーボンプライシング施策の新たな導入について、政府部内でも活発な議論が行われている。
 日本において新たなカーボンプライシング施策を導入した場合のマクロ経済及び企業行動に与える効果・影響を検討して、当該施策の導入に対するあなたの考えを述べなさい。
(注)温室効果ガスの排出に伴って生ずる、化石燃料購入コスト、温室効果の外部不経済コスト、温暖化対策コストなどの様々なコストを「見える化」し、温室効果ガスの排出抑制に資するよう、これを加重するなど人為的に操作することを「カーボンプライシング」という。政府が行う代表的なカーボンプライシング施策が、価格効果を重視した炭素税やキャップ&トレード方式の排出量取引制度である。
国際関係の政策課題 4.近年国連では、民族浄化や大量虐殺等を背景として「人道的介入」が議論されている。このような「人道的介入」について、国際法上の根拠や我が国の立場を視野に入れつつあなたの考えを述べなさい。

4. 口述試験

 口述試験は、複数の面接実施委員により、受験者1人ずつ、約45分程度で実施します。
 口述試験は、受験者の法学・政治学の専門知識を問うものではなく、コミュニケーション能力や集団作業能力等を総合的に判定するために行われます。

5. 本年度の入試日程(第1期募集)

出願受付期間平成30年9月6日(木)〜9月12日(水)
入学試験平成30年9月29日(土)、30日(日)
合格発表平成30年10月5日(金)

6. 今後の予定

 6〜9月に学内外の説明会及びオープンキャンパスを行い、募集要項等の配付を行います。

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