2020年4月入学用(第1期募集)の入試関係情報

1. 公共政策大学院アドミッション・ポリシー

 東北大学公共政策大学院が受け入れる学生像とは、「公共政策ワークショップ」をはじめとするカリキュラムによって、他の学生と切磋琢磨しながら自己の能力を一層涵養することのできる人物であり、具体的には以下の資質を持つ人物です。

  1. 学部で学んだ専門知識を基盤としつつ、公務及び公共政策の立案・制度設計について多角的な視点から学習する意欲と基礎的な能力を有すること。
  2. 討論・交渉・文章作成・プレゼンテーションなどコミュニケーション能力を豊かに持ち、集団作業に貢献できる適性を有すること。
  3. 公共性への情熱を持ち、公務に対し献身的な資質を有すること。

 したがって入学試験では、特定の行政課題に関する基本的な理解とそれに基づき考察する能力を有していることを考査するとともに、「公共政策ワークショップ」において集団作業に積極的に参加する人物であることを面接で審査します。これによって、特定の学部の卒業生に偏ることなく、様々な学部の卒業生や社会人経験を持つ者から多様な学生の受け入れを進めます。

 なお、第1期募集における入学試験合格者数等の状況を勘案して、第2期募集(令和2年1月実施予定)の募集人員を決定します。第2期募集の募集要項の公表は、11月下旬を予定しています。

2. 入学試験の概要

 入学試験は、提出書類、小論文および口述試験の総合判定により行います。

3. 小論文

 小論文の問題は、内政関係の政策課題、経済に関連する政策課題、および国際関係の政策課題の3分野から出題します。受験者は、その中から一つを受験時に選択して、小論文を作成します。ここでは、受験者の具体的な政策課題への対処法として作成された文章から、受験者の法学・政治学についての基礎的な理解を考査し、かつ現代社会が抱える政策課題についての基礎的な知見を審査することが目的となっています。
 小論文では、例えば次のような問題が出題されます。

内政関係の政策課題 1.日本の地方自治制度においては、二元代表制のもと、各地方公共団体において、知事・市町村長とともに、地方議会の議員を住民の選挙によって選出している。しかし、現在、特に小規模な市町村では、議員のなり手不足が課題となっている。
 なぜ、議員のなり手不足が生じているのか、その原因を推測し述べた上で、議員のなり手不足への対応策について、あなたの考えを述べなさい。
2.我が国の農業は、担い手の高齢化や減少が課題となっており、農地面積の減少と荒廃農地も課題となっている。しかしながら、食料は欠くことのできないものであり、農業以外に主たる産業のない地域も多く、食料の安定供給、農村地域の振興は重要な政策課題である。今後の食料・農業政策はどうあるべきか、あなたの考えを述べなさい。
経済に関連する政策課題 3.日本政府は、来年10月に飲食料品等については軽減税率8%を適用しつつ、消費税率を10%に引き上げることを予定している。
 この消費税増税の経済・財政上の意義・効果・影響を論述し、消費税増税に合わせて実施することが望ましい政策について、あなたの考えを述べなさい。
国際関係の政策課題 4.経済制裁について、国際法上の根拠やこれまでの発動例を挙げて説明しなさい。さらに、経済制裁の実効性及び制裁発動のあり方を中心に、あなたの考えを述べなさい。

4. 口述試験

 口述試験は、複数の面接実施委員により、受験者1人ずつ、約45分程度で実施します。
 口述試験は、受験者の法学・政治学の専門知識を問うものではなく、コミュニケーション能力や集団作業能力等を総合的に判定するために行われます。

5. 本年度の入試日程(第1期募集)

出願受付期間令和元年9月5日(木)〜9月11日(水)
入学試験令和元年9月28日(土)、29日(日)
合格発表令和元年10月4日(金)

6. 今後の予定

 6〜9月に学内外の説明会及びオープンキャンパスを行い、募集要項等の配付を行います。

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