東北大学公共政策    

鹿子生浩輝 KAKOO Hiroki

専門分野

政治学〈西洋政治思想史〉
公共政策大学院では、「公共哲学」「ワークショップI」などを担当。

略歴と研究

2001年、九州大学大学院法学研究科博士課程修了。博士(法学)。2017年より東北大学法学研究科教授。ケンブリッジ大学ビジティング・スカラー(2018年-2019年)。主著に『征服と自由――マキァヴェッリの政治思想とルネサンス・フィレンツェ』(風行社、2013年)、『マキァヴェッリ――『君主論』をよむ』(岩波新書、2019年)。

公共政策大学院の授業

私は、西洋政治思想史という分野を研究しており、これまで特に、ルネサンス時代イタリアのマキァヴェッリという人物の政治思想に関心を寄せてきました。彼は、フィレンツェ共和国の官僚でしたが、政変により職を失い、その後『君主論』などの政治的著作を執筆しました。彼の著作は、政治に関する自身の理論の現れに他なりませんが、実のところ、彼は、実務家としての経験と古代の政治に関する知識に基づきながら、現実の政治的問題に対する処方箋を提供しようとした人物です。言い換えれば、彼の理論的な格闘は、実践と密接不可分のものだったのです。公共政策大学院が目指すのも、理論に裏打ちされた政策提言であり、私の授業の「公共哲学」も、政策について原理的に考えながら検討してみることを目的としています。

ワークショップについて

私は、2022年からワークショップI・プロジェクトAの副担当を務めることになりました。このワークショップでは、農林水産・農村政策を中心とした地域振興政策を検討・提案します。私の実家は、九州の田舎で酪農・イチゴ・花卉の栽培に携わっていたので、農業に関連する課題や政策には強い関心があります。学生と一緒に今後の農業や地方創生のあり方について考えていきたいと思います。
ワークショップの一番の魅力は、何と言ってもその共同作業にあります。それは、学生が主体となり、活発に議論を交わし、生産者や行政機関を含む様々な方面でヒアリングを重ね、試行錯誤しつつも目的に向かって協力していく作業です。自分とは異なる意見に積極的かつ真摯に耳を傾けるこうした活動は、個人で研究を進めていく大学院では得られない、きわめて貴重な知的・実践的経験になるでしょう。

このページのTOPへ