東北大学公共政策    

ワークショップD活動報告(第4弾・石巻出張編)

ワークショップD活動報告(第4弾・石巻出張編)

 「震災復興10年の総合的研究―これからの東北・宮城を見すえて」をテーマに研究を進めているワークショップDは、後期も積極的にヒアリングや現地調査を行っています。前期は地方・県・国の行政機関をメインに調査を行いましたが、中間報告会を経て、後期はそれらに加え、現場をよく知る事業者へのヒアリングにも積極的に取り組んでいます。

 前期は全員で訪ねた石巻ですが、11月は、2日-3日と16日の2回・2班に分かれて訪問しました。

 「ソフト班」のメンバーは、石巻市の北上地区にフォーカスしました。北上地区は、石巻駅から30㎞ほど離れた、北上川が太平洋に注ぐ河口の地域です。先生方が運転するレンタカー2台に分乗して現地視察に出向きました。また現地で、石巻市北上総合支所及び(一社)ウィーアーワン北上にインタビュー調査を行いました。行政・民間事業者のそれぞれの立場から、被災者支援の活動についてお話を伺うことができました。

<レンタカーの車窓から北上川を撮影。移動中もしっかり現地を見学します。>
<ウィーアーワン北上の佐藤代表へインタビュー>

ソフト班は石巻に一泊し、次の日は朝から引き続きレンタカー移動で、ヒアリングやその事前調査で知識を得た北上地区の現場である白浜ビーチパークや、道中の石巻市北上観光物産交流センターなどの施設、そして広範囲で整備された石巻南浜津波復興祈念公園などを実際に訪れました。

<こちらも車窓から。防災集団移転先で、高台の高さを実感しました。>

 「産業班」のメンバーは、石巻商工会議所及び石巻市産業部を訪ね、補助金制度活用や産業の復興等について、それぞれの現場のお話を伺いました。また、ヒアリングとヒアリングの合間の時間には、レンタカーで市内を視察しました。石巻市の主な産業は水産業。いしのまき元気市場にある「元気食堂」で昼食を取り、平成27年9月に供用が開始された「石巻魚市場」を見学。養殖業の盛んな万石浦へ向かう道中では、石巻市の貴重な産業である製紙パルプ業の工業団地も視察しました。

<石巻商工会議所を訪問しました>
<万石橋から見た景色>

 現地視察を日帰りで終えた産業班でしたが、後日、元朝日新聞論説委員で東日本大震災復興構想会議の委員も務められた高成田亨様へオンラインヒアリングを実施しました。

<「さかな記者」こと、高成田様へのオンラインヒアリング>

ワークショップDは、現在、3班体制で研究を進めています。3班ともそれぞれ、文献を調査し、現地を自分たちの足で歩き、行政や民間のキーパーソンと言葉を交わすことで、知識と思いを深めています。研究テーマに掲げられた「総合的研究」にあるように、この復興10年を複数の視点から見つめ直すことで、未来へ向けての提言をまとめ上げていきます。

(WSDチューター寺門瞳)

 

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