20周年記念メッセージ|原田賢一郎先生|東北大学 公共政策大学院
   東北大学公共政策    
 

原田賢一郎先生

東北大学公共政策大学院の創設20周年、誠におめでとうございます!!

この良き節目に、教員として再び登板する機会をいただいたことに対しまして、関係者の皆さまに心から感謝申し上げたいと思います。

私が前回、総務省からの初代の実務家教員として勤務したのは、2006年8月からの2年間でした。その当時は、既に最初の修了生を送り出していたとはいえ、未だ揺籃期にあり、看板科目である公共政策ワークショップの持ち方や、カリキュラムの細目などについて、研究者、実務家を問わず教員どうしで議論を重ね、事務職員の皆さんの力も借りつつ、試行錯誤しながら改善を進めていった時期でした。私自身も若輩者ではありましたが、様々なことに挑戦させていただきました。

現在の片平キャンパスのエクステンション教育研究棟の充実した施設・設備からは想像できないことですが、当時のワークショップ室は内装に木材が多く使われている古い建物の中にあり、毎回の公共政策ワークショップⅠの授業では、担当教員と学生が狭い部屋の中でひしめき合っていました。また、それ以外の授業では、その建物に加え現在の本部棟の一角を教室として使用していました。さらに学生の自習室の一部は、片平キャンパスではなく川内キャンパスにありました。とはいえ、学生の皆さんの意気は総じて高く、私も彼ら彼女たちに大いに刺激を受けながら、充実した日々を送ったことを記憶しています。

この公共政策大学院で学ぶ学生の皆さんに、学部卒ではなく敢えて大学院を経て就職することに対する付加価値を提供すべく、当時の授業では各教員は敢えて厳しく指導することにしていました。私もその例外ではありませんでしたが、それと同時に毎日のように学生の皆さんと夕食をともにしたり、今でいうところの1on1でコミュニケーションを深めたりしたのも、とても懐かしい思い出です。

2008年7月に東北大学を離れた後、国や地方自治体などでの実務のかたわら、5年ごとに2か所の大学で実務家教員を務め(その間、コロナ禍でやむなくオンライン授業に取り組むことも余儀なくされましたが)、学生の気風や学びの姿勢が時代とともに移り変わってきたことを実感してきました。しかしながら、教員と学生の関係が非常に密接であるとともに、課題解決型学習(Project Based Learning)の授業科目を中核に据えているという東北大学公共政策大学院の特長は、修了生の皆さんの各界での活躍ぶりに明確に示されているとおり、今やその輝きを益々増しているものと確信しています。私も、地方自治や地域政策などを中心とした分野を担う人材の育成に、微力ながら貢献してまいりたいと考えております。

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