20周年記念メッセージ|諸岡慧人先生|東北大学 公共政策大学院
   東北大学公共政策    
 

諸岡慧人先生

20周年に寄せて

東北大学公共政策大学院が20周年を迎えたことに、心からお祝いを申し上げます。
教育と社会的使命の両方に燃える教職員と、それに応えて大いに学び成長する学生の皆さんが、この場を作り育んだことは疑い得ません。そして、小学生が唱えさせられるお題目めいてやや気が引けますが、しかしやはり揺るがぬ真実として、東北地方の地域の方々に支え助けられたこともまた見逃し得ないでしょう。
2020年4月という、人と人の繋がりが試練に曝された時期に着任した私にとって、本学公共政策大学院は驚きに満ちた場所でした。WS1という空間を作り上げるべく奮闘する先輩教員のひたむきさと、「密」な議論と調査こそが本学を志願した理由なのだと訴える学生のまなざし。豊かな歴史を持つ研究拠点に受け入れられた喜びに、現代そして未来の「現場」を教え学ぶ場に加われたという幸せ、そして一人のスタッフとしての緊張感が加わりました。徐々に活動が軌道に乗り、自身も運営の一端を担いながらヒアリングにも同行する過程で、教職員・学生・地域に生きる人々が有機的に結びつき成果を生み出す様子を目の当たりにしました。振り返ればこの光景により、私にとっても公共政策大学院がかけがえのない存在になったと感じます。
資格試験という堅い制度に拠るのでもなく、学術研究を背景にした個的関係の束でもない、異なる立場の多くの人が織りなす大学院であるからこそ、魅力に溢れると同時に、受け継ぎそして引き継ぐのに並々ならぬ決意を求めるのだと思います。また次の節目を、さらに若い人たちとも祝えるよう、微力を尽くす所存です。

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