次の4題のうちから1題を選んで論じなさい。
【内政関係】
1.都市は、古来より人や機能等を集積させることにより成立・発展してきた。
しかし、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大により、人々は密を回避するこ
とを求められているとともに、通勤・通学・レジャー等生活の様々な局面におい
て行動の変化が求められることになった。そして、このような行動変化が長期に
わたり続く中、人々のライフスタイルや価値観も変化しつつあるといわれてい
る。
新型コロナウイルス感染症の拡大によりもたらされたライフスタイルや価値
観の変化のうち、今後の都市のあり方に影響を与えるとあなたが思うものにつ
いて例示するとともに、新型コロナウイルス感染症の拡大を契機とした中長期
的な都市政策をどのように推進していくべきか、あなたの考えを述べなさい。
2.近年、格差や貧困問題の拡大に伴い、分配政策が注目されている。2021 年
秋の衆議院総選挙では各党が独自の分配政策を掲げるなど争点の一つとなった
他、岸田文雄内閣総理大臣の第 207 回臨時国会における所信表明演説の中でも、
「成長と分配の好循環による新しい資本主義」を目指すことが宣言されている。
分配には様々な形で行われるものがあるが、社会保障制度を通じた所得再分
配に関し、現行制度における所得再分配効果について述べたうえで、望ましい所
得再分配施策について、あなたの考えを述べなさい。
【経済関係】
3.近年、多国籍企業の租税戦略にともなう各国の税収減が問題となっている。
それに対して、デジタルサービス税の導入をはじめとした一国単位での課税措
置をもって対抗する例が散見されたが、他方で、かかる課税措置の乱立は企業活
動に過度の混乱を招くという懸念もある。そのような懸念を踏まえ、OECD にお
いても、各国の協調による新しい課税秩序を模索する動きがある。
日本が今後も現在の財政支出の規模を維持していくことを前提とした場合、
法人からの税収の確保は重要課題である。現行の法人課税の弱点を指摘しつつ、
日本の法人課税のあるべき将来像について、上記の世界的動向も踏まえて、あな
たの考えを述べなさい。
【国際関係】
4.新型コロナウイルス感染症対策の一環として、多くの国々が、国境間の人々
の往来を抑制するため、外国人の入国を規制する措置を導入している。しかし、
入国規制に対しては様々な批判の声もある。入国規制によるメリットとデメリ
ットを比較したうえで、入国規制が妥当な措置であるといえるのかどうか、あな
たの考えを述べなさい。