髙畑柊子先生(2013~2015年在学)
公共政策大学院20周年に寄せて
東北大学公共政策大学院創設20周年、誠におめでとうございます。
私は、2013年~2015年まで学生として在籍し、その後、本学博士課程で博士号を取得後、成蹊大学法学部等での勤務を経て、2024年4月に本学法学研究科教員として、“里帰り”してまいりました。今年度は、WSD「福島原子力災害被災地の復興まちづくり研究 ―南相馬市小高区をフィールドとして―」の副担当として、主担当の御手洗潤先生、副担当の戸澤英典先生、そして熱心で優秀な学生のみなさんと、南相馬市を中心に足しげく現場に通いながら、政策提言に向けた研究を進めています。
専門は行政法ですが、初めから研究者を考えていたわけではありませんでした。まさにWSⅠを通じて、行政の現場を垣間見、政策課題に向き合う中で、こうしたアクチュアルな問題と法理論とは地続きであることを痛感し、行政法学の面白さにのめり込んでいきました。私の周りを見ても、公衆衛生看護とメディア研究を専門として、アカデミックの世界で活躍する同期がいますし、最近でも博士課程への進学者は少しずつ増えているように見受けられます。
多くの対話・コミュニケーションを経て、「公共」とは、「公益」とは何なのかを真剣に問い続ける営みが、政策の現場に立とうとする者(立つ者)にとっても、研究の現場に立とうとする者(立つ者)にとっても、有益なものであることは、本大学院の20年の足跡から明らかですし、このような学びの場がこれからの20年も(その先も)続いていくことを期待してやみません。
東北大学公共政策大学院が、私にとっての人生の分岐点となったように、ひとりでも多くの学生が、かけがえのない学びを獲得できるよう、一教員として微力を尽くしてまいりたいと思います。