東北大学公共政策    

村上堅治 MURAKAMI Kenji

専攻科目

 農業法政策

略歴

 2012年8月に東北大学に赴任しました。農林水産省出身の実務家教員です。農林水産省で農業・漁業に関する生産対策から消費者対策まで、各般の施策の立案・実施に携わったほか、公正取引委員会、外務省、総務省に出向し、農林水産行政に外側から関与するという経験もしました。外務省出向時にはモスクワの在露日本大使館に3年間勤務し、異文化の中で漁業交渉を担当するという貴重な体験もしたところです。

公共政策大学院での授業に当たって

 現在、WSⅠ(修士1年生のワークショップ)のプロジェクトD「復興に向けた市民・行政協働型の環境政策の課題と推進方策について」を西田先生、飯島先生と共に担当しています。

 ここでは、被災地域における廃棄物の処理、再生可能エネルギーの普及推進、エコツーリズムや自然公園の活用による地域復興等について、政策提言を行うべく、調査・検討を進めています。

 このワークショップの取組は、学生達の自由でユニークな発想と、教員の行政実務上の経験を融合させようとするものであり、ささやかながら我が国の閉塞状況を打破する一助になるのではと期待しているところです。

研究室にて

 我が国の農業は、技術水準が高く、高品質で安全性の高い農畜産物を生産しており、総産出額でも世界有数の規模に達していますが、他面、経営規模の零細性から高コスト体質であり、家畜飼料の大部分を輸入に依存している等のため食料自給率は4割程度と主要国中最低水準になっています。

 近年、異常気象の続発や新興国を中心とする需要の増加により、穀物の国際価格は高騰を続けており、世界的な食料需給の逼迫が懸念されています。

 国際的には経済のグローバル化に伴う貿易の一層の自由化、更なる円高の進行、国内的には財政赤字縮減のための予算の削減という厳しい状況の下で、今後、国内農業の維持・発展と国民への食料の安定供給を如何に図っていくかは、行政上の重要課題であるばかりでなく、国民1人1人にとって食物をどう確保していくかという問題でもあります。

 行政経験を有する一大学教員として、また一国民として、学生達と共に研究を続けていきたいと考えております。

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