東北大学公共政策    

佐分利応貴 SABURI Masataka

専攻科目

経済・産業政策

略歴

2006年8月に東北大学法学研究科・公共政策大学院に着任しました。岐阜県に生まれ、京都大学経済学部卒業後、1991年通商産業省(現経済産業省)に入省。その後、エネルギー、公共事業、中小企業対策、地域産業振興(北海道「食」産業)、地球環境問題(オゾン層保護、地球温暖化(COP3))、労働・雇用問題、外交(在エジプト日本大使館)、ODAなどの業務に携わりました。勤務した官庁も、経済産業省、資源エネルギー庁、中小企業庁、経済企画庁(現内閣府)、労働省(現厚生労働省)、外務省、内閣官房と、霞ヶ関の組織を横断的に体験することができました。

公共政策大学院での授業にあたって

2007年度は、「公共政策ワークショップIプロジェクトB 地域活性化の一般法則の解明」を担当しました。日本中で求められている「地域活性化」ですが、そもそも地域活性化とは何なのか、誰がどうなることなのか、地域の病状の分類と処方箋の作成に8人の学生とともに取り組みました。学生は、パートナーとなってくれる地域を自ら選定し、その地域に具体的な政策提言等を行うことにより、一歩でも当該地域の問題解決に貢献することが求められました。

研究室にて

政府の役割は「社会問題の解決」ですが、複雑化する現代社会の問題の解決には、従来型の公共事業や規制・補助金といった手法だけでなく、問題の構造に着目した科学的アプローチが必要です。具体的には、行政と大学等の研究機関が過去の行政の成功事例・失敗事例の知見経験を蓄積し、そうした事例をもとに、社会問題の定義と発生メカニズムの研究(社会病理論)、社会の構造分析とその手法の研究(社会解剖論)、社会の成員の行動要因と相互作用の研究(社会生理論)、社会問題解決のための手法の研究(社会薬理論)、町内会やNPOなどによる社会の自浄能力の研究(社会免疫論)、政策の実施・モニタリング及び再発防止の研究(社会看護論)、分野別課題への対応の研究(臨床社会科学論)などを進める必要があります。こうした社会問題解決のための学問の体系化に、本研究室で取り組めることは、人生のテーマである世界平和実現のための大きな一歩であり、心から感謝しております。

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