概要

「公共」の「政策大学院」をめざして

写真 東北大学公共政策大学院は、国家・地方・国際公務員などの「政策の企画立案についての専門性を有する人材を教育する大学院」として、2004年に発足しました。

「今、時代は大きく動いています。世界的には、グローバル化・情報化の進展、環境問題等新たな政策課題の重要性の高まりなどがあります。日本においては、経済社会の成熟化、少子高齢化の急速な進行などがあります。これらは、海外や過去に処方箋を求めても見つかるようなものではなく、我々が自ら考えていかなければならない問題ばかりです。こうした状況の中で、『公』に携わる人にも、従来を超える能力・資質・知識等が求められています。」これは、その時に私たちが打ち出した設置の趣旨ですが、基本的な考え方は今も同じです。「公」ないし「公共性」は、これからますます多様化していくでしょう。もはや「公」とは何か、という問いには誰も答えてはくれません。自ら体験し、それを理論的観点から問い直し、他人と意見を交換し、議論を交わす中で、おぼろげながら仄見えるものなのです。

政策の根本に横たわる「公」とは何か自らの頭で考えぬき、「公」を目指して行動する姿勢を持った人材を育てる大学院――それが私たちの大学院です。

そのために私たちは、知識教授型の授業では決して得ることのできないもの、たとえば、フィールド・サーヴェイ、徹底した議論、多面的な観点からの問題の理解、その上での問題の本質を捉える力、実行可能性の検証、理論による裏打ちといった要素をカリキュラムの中心においています。それが本大学院独自の授業である「公共政策ワークショップ」です。そこでは、教員集団と学生グループとは、互いの顔が見える空間の中で、具体的な「政策」の立案作業に取り組みます。週3コマ、自主活動を含めれば週6コマ以上のインテンシヴな討論を、実務家・研究者の専任教員がしっかりと見つめる中で学生が一年を通じて続け、最終的な政策案を練り上げていきます。

photo学生は、年間を通した体験修得型の授業を通じて、自ら考え、行動し、ときには失敗を通じて学んでいきます。つまり、「公」の問題を考えることは、「公とは○○だ」と言い放つことではなく、「公」を考えぬいたプロセスを周囲の人たちと一つ一つ共有していくことなのです。

本大学院は、「公」という価値をカリキュラムの中にプロセスとして綿密に組み込みました。新入生オリエンテーションから最終報告会までの行事の数々、少人数のスクーリング、「公共政策ワークショップ」は、すべて綿密に計画された集団の作業です。これはつまり、「公」という理念に近づくための仕掛けなのです。大学院の中で、共同で「公」とは何かを考えぬいたときにはじめて、真の意味で社会の公共空間に参画し、これを担う有用な人材が育つ――私たちは堅くこう信じています。

「公共」の「政策大学院」をめざして、私たちはこれからも歩んでいきます。

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