東北大学公共政策    

ワークショップC活動報告 タイ海外調査

ワークショップCでは、学生9名と教員4名で、国境を越える特殊詐欺の撲滅を目指し研究を行っています。

私達は、特殊詐欺電話のかけ場拠点が東南アジアに進出していることに鑑み、5日間のタイでの調査を行ってまいりました。タイでは、薬物対策等、組織犯罪対策の研究・教育活動等を行っているInternational Narcotics Control College (INCC)とSafe Mekong Coordination Center (SMCC)、マネーロンダリング対策を行っているAnti-Money Laundering Office (AMLO)、オンライン詐欺対策の被害者窓口となっているAnti-Online Scam Operation Center (AOC)、日本国大使館の皆様にインタビュー調査させていただきました。また、ゴールデントライアングルやメーサイといったタイ北部の国境の状況、Hall of Opium (アヘン博物館)、Museum of Correction (矯正博物館)などを視察しました。

お忙しい中、インタビュー調査に御協力くださった皆様、現地でのインタビュー調査や視察の調整に御尽力いただいた在タイ日本国大使館、在チェンマイ日本国総領事館の皆様に、会計手続きの支援をして下さった事務の皆様に、感謝の意を表します。

また、今回の海外調査は、JR東日本グローバル人材育成プログラム基金により旅費の支援を受けており、ここに御紹介させていただくとともに、厚く御礼申し上げます。

 

今回は、タイ北部とバンコクの大きく二部構成で調査を行いました。

タイ北部を訪れた1日目と2日目には、ミャンマーとラオスとの国境であり、犯罪の温床になっていると言われるタイ北部のゴールデントライアングルにおいて、視察を行ったほか、INCC、SMCCの方々にインタビュー調査を行い、Hall of Opium(アヘン博物館)を案内いただきました。視察では、詐欺拠点になっているとも言われる、ラオスにおいて中国が行う経済特区の事業の様子を国境となるメコン川からボートで確認するとともに、タイとミャンマーの国境にある地域メーサイにおいても視察を行い、国境の往来の容易さ等確認しました。インタビュー調査では、近年の組織犯罪情勢やそれに対する取り組みについて学ぶことができました。

 

国境付近をボートから視察

ボートから見えたラオスの経済特区事業の様子

ミャンマー側を見ることができるスカイウォークでの視察の様子

スカイウォークからのメーサイの様子(中央青色の屋根の建物が国境検問所)

 

INCC、SMCCの方々へのインタビュー調査の様子

アヘン博物館における視察の様子

 

また、3日目から5日目の後半はバンコクにおいて、AMLO(Anti- Money Laundaring Office)、AOC(Anti- Online Scam Operation Center)、在タイ日本国大使館の方々に対して、インタビュー調査を行うとともに、視察を行いました。

インタビュー調査においては、日本と同様、タイでも投資詐欺をはじめとするオンライン詐欺の被害が増加しているという情勢、タイ政府が実施している対策等を学び、日本国大使館においては、タイにおける犯罪情勢、タイ政府機関の概要や大使館における特殊詐欺に関する取り組みなどについて聞くことができました。

また、視察では、コンビニを始めとする商店、銀行、矯正博物館、大学などを訪れSIMカード入手時の本人確認が厳格化されてきていることや銀行のATM付近でマネーロンダリングに関する注意喚起がなされていること、タイにおける矯正施設の歴史等を把握・確認しました。

 

AMLOにおけるインタビュー調査の様子

 

AOCにおけるインタビュー調査の様子

在タイ日本国大使館におけるインタビュー調査の様子

 

銀行のATM視察の様子

矯正博物館での視察の様子

チュラロンコン大学での視察の様子

チュラロンコン大学での視察の様子

打ち合わせの様子 

タイ滞在中は、毎日メンバーで打ち合わせを行い、インタビュー前の最終調整をしたほか、終了したインタビューの反省や得られたことを共有し、改善方法を確認しました。私達も、インタビューを重ねるにつれ英語でのインタビューに慣れていき、より深い意見交換をすることができたと感じました。

私達の慣れない英語に対しても親切かつ真摯にお答えをいただいたタイ政府の関係者の皆様、長時間のインタビューに対応くださった在タイ日本国大使館の皆様に改めて感謝申し上げます。

タイで学んだことを活かし、最終報告会に向け、WSC一同より一層邁進していきます!

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