- 公共政策ワークショップⅠ 最終報告書 プロジェクトC(全260ページ、7.76MB)
(1)趣旨
世界経済フォーラム(World Economic Forum)が各国の男女の間にどれだけの格差が存在しているかをスコア化し、毎年発表しているジェンダー・ギャップ指数(The Global Gender Gap Index:GGGI)では、我が国は、2025年で148か国中118 位(2025年)となっており、主要先進国(G7)中最下位、OECD 加盟国(38 か国)中でみても下から2番目の位置にある。
毎年、この指数が発表される時期には、ジェンダー平等に向けたわが国の歩みの遅れが人々の間で意識されるが、それを受けて、ジェンダー平等に向けた政策がどこまで我が国の政治行政の重要課題として認識され、具体化されているだろうか。また、どのくらいの人がそもそもこの大きな格差を改善すべき課題と認識しているだろうか。
「女性活躍」が政策課題として掲げられ、2015 年には「女性活躍推進法(女性の職業生活における活躍の推進に関する法律)」という法律までできた。だが、制度ができたとしても、社会の実態は簡単には変わってくれない。メアリー・C・ブリントン(ハーバード大学ライシャワー日本研究所所長)は、著書『縛られる日本人』の中でこう述べている。「日本の政府や企業は、職をもつ母親たちのニーズに対応する一方で、父親たちには昔のままの硬直的な扱いを続けることにより、意図せずして、二人以上の子どもをもうけようとする夫婦が増えることを妨げているのかもしれない。女性の待遇だけ改めて、男性に同様の権利を認めなければ、共働き夫婦では、男性が仕事にすべてのエネルギーを注ぎ込んで疲れ果て、女性が有償労働を続けつつ、家事と育児の 80~100%を担うことにより疲れ果てることは避けられない。」と。
我が国の社会経済全体に大きな影響を及ぼしつつある少子化の進行の問題、国土の均衡ある発展を目指して取組みが行われていても歯止めがかからない東京圏への一極集中と地方の人口流出、政治経済分野での同質性の高いメンバーで行われる意思決定におけるガバナンスの欠如など、わが国の社会経済が抱える構造的な問題の背後に、ジェンダー・ギャップの問題が潜んでいる可能性はないだろうか。
今の学生がこれまで歩んできた教育段階までの過程にも問題がないわけではないが、大きなジェンダー・ギャップを感じる局面はさほど多くなかったかもしれない。だが、我が国のジェンダー・ギャップ指数を押し下げている大きな要因の一つとなっているのが、男女間の賃金格差など経済面でのジェンダー・ギャップの大きさであることが示すように、実社会に出た後は、否応なくこの問題に直面することとなるだろう。そうであるからこそ、これまでの社会経済の当たり前を当たり前とせず、また、単にこの問題を女性の問題としてではなく、今後の我が国の社会経済の発展を考える上で、その克服が不可欠な構造的な問題と考え、男女問わずこうした視点を持ち、どのように行動していくかを考えていただきたいと思い、ワークショップのテーマに選定した。
(2)経過
(ア)年間の作業経過等
a)前期
4つのワークショップの中で最も抽象度の高い問題設定だったこともあり、どれほどの学生がこの問題に興味を示してくれるかどうか不安だったが、男性3名、女性4名の計7名(うち社会人学生2名)がプロジェクトCに集った。参加メンバーの中には、大学生時代からジェンダーの問題に関心を持っていたという学生もいて、この問題への関心の高さを感じた。必ずしもジェンダー問題の専門ではない主担当教員にとって、このテーマを設定することへの迷いもあったが、勇気を持ってこのテーマを設定してよかったと感じることができた。
3回目のワークショップでは、仙台市男女共同参画推進センター「エル・ソーラ」を訪問した。せんだい男女共同参画財団の水野理事長(元東北大学法学部長)からジェンダー問題の歴史的な背景についてのお話をうかがい、財団の事業の概要のご説明をいただいた後、2グループに分かれてのワークを行っていただいた。日常生活の中でのジェンダーをめぐる違和感に気付き、誰もが生きやすい社会にするためにどうしたらよいかを話し合う内容であり、抽象的な問題を少し身近な問題に引きつけて考えるきっかけになったのではないかと思う。
5月は、ジェンダー問題に関する書籍の輪読や既存施策のレビューを行うとともに、前期に行うヒアリング活動について検討した。6月に入ってからは、女性活躍促進の実務を担当した経験を持つ大学教員からのレクチャー、メンバーの1人の出身地でもある岩手県紫波町で、町議会の女性議員へのヒアリングが実現したほか、東京に遠征し、厚生労働省(雇用環境・均等局総務課)と経済産業省(経済産業政策局経済社会推進室)では企業における女性活躍促進やダイバーシティ経営についてのお話を、また、テレビ朝日ではマスメディアにおけるジェンダー問題や日韓の女性記者交流についての実感溢れるお話をうかがうことができた。
b)中間報告会
6月にヒアリングが続いたため、中間報告内容の検討は7月に入ってからになった。ジェンダー・ギャップ指数でスコアの低い政治分野と経済分野を対象に研究を進めていくという方向性のもと、それぞれどのように今後の研究の方向性を定めるか検討を進めた。
政治分野については、世界的に議席や候補者の一定割合を女性に割り当てる「クオータ制」の導入が進んでおり、このクオータ制について調査し報告することとした。クオータ制の導入によって確かに女性議員割合が増える効果がある一方、我が国においてはその政治的条件が整っていないことを指摘する研究も紹介し、クオータ制が受け入れられる土壌づくりを課題として指摘した。経済分野については、男女の賃金格差やその大きな要因となっている管理職割合の低さ、その社会的背景となっている性別役割分担意識について整理し、現行の女性活躍推進法が、従業員100人以下の中小企業を行動計画の策定や公表の対象から除外していることを課題として指摘した。
その上で、一人一人に身近なところからジェンダー・ギャップを解消するというアプローチの下、政治分野では市町村議会への女性の政治参画の促進を、経済分野では中小企業における女性活躍・ダイバーシティ経営の推進を今後の研究の方向性として提示した。
中間報告の内容、特に今後の研究の方向性をどこに定めるかについては、メンバーの考えを尊重し、基本的にメンバー間の議論に委ねた。中間報告会のスライドは非常にわかりやすく整理されたものであったが、政治分野で市町村議会、経済分野で中小企業を研究ターゲットに設定したことを、社会経済全体のジェンダー・ギャップの解消の中でどのように意味付けるかについては、後期の課題となった。前期最後のワークショップで、先生方からいただいたコメントをメンバーで共有して夏季休暇に入った。
c)夏季
夏季休暇中のワークショップ活動は、メンバー間で相談し、ほぼ週1回のペースで自主ゼミをオンラインで開催していた。教員は参加せず、時々メンバーから何を議論したかを聞くにとどめた。
夏季休暇中には、政治分野、経済分野それぞれ実際にどのような取組みが行われているのか調査し、後期のヒアリング対象をリストアップすること、海外調査で訪問する韓国について、訪問先候補がどのような取組みを行っているかを調査し、ヒアリングをお願いする際の質問リストを作成することに取り組むとともに、海外調査ロジ担当に航空便や宿泊するホテルの候補をあげてもらい、手配を進めた。
d)海外調査(11/2~8)
後期のワークショップ活動は、11月の海外調査の準備からスタートしたが、スタート早々に、予約していた航空便のフライトスケジュール変更というアクシデントに見舞われることとなった(結果的に延泊を余儀なくされた)。また、韓国での訪問先とのアポイント調整をソウルの大使館と相談しながら進めていたが、9月に成立した政府組織の再編法案が10月から施行され、訪問先候補であった女性家族部が性平等家族部に再編されるという、我が国では考えられないような事態の中で、アポイントが確定しない状態で10月を迎えることとなった。
最終的には、韓国から法学研究科に来られていた特別研究員、また、前期に訪問したテレビ朝日のディレクターのお力添えもあり、元女性家族部長官の国会議員、韓国女性団体協議会、両性平等教育振興院、性平等家族部、韓国女性記者協会メンバーのメディア関係者への訪問が実現し、とても実のある海外調査を行うことができた。この場をお借りして、海外調査にご協力いただいた皆さまへの御礼を申し上げたい。
特に印象的だったのは、韓国では女性団体をはじめとする市民団体の活動と政策の動きの結びつきが深いこと、また、ワーク・ライフ・バランスの実現を進めるための「ファミリーフレンドリー認証制度」が効果的に機能していることであった。現地に赴き、こうした話を肌感覚でとらえることができたことが、その後の政策提言に向けた検討にもつながった。実現まで紆余曲折はあったが、非常に有意義な海外調査を行うことができたと感じている。
e)後期(最終報告会まで)
海外調査の準備と並行して、10月から国内のヒアリングも進めた。海外調査と前後して、政治分野については『女性のいない民主主義』の著者の東京大学の前田健太郎教授、先駆的にオンライン議会を実現した茨城県取手市、地域の女性リーダーの育成に積極的に取り組む青森県八戸市にヒアリングを実施した。また、経済分野では、宮城労働局で中小企業の実態や課題についてつかんだ上で、仙台商工会議所、東北電力、株式会社ユーメディアへのヒアリングが実現した。
後期の国内ヒアリングについては、ほとんどメンバーが直接コンタクトをとって実現した。メンバーの個人的な人脈を通じて、また、他のワークショップ所属の社会人学生にご紹介いただいてアポイントをとりつけたところもあった。国際ワークショップであるプロジェクトCは、海外調査もあることから、他のワークショップに比べてヒアリング回数はどうしても少なくなるが、どこの訪問先でもかなり踏み込んだお話をうかがうことができ、政策提言を検討する上で重要な示唆をいただけたと感じている。メンバーの真摯な学びの姿勢をお酌み取りいただきご協力いただいた方々に厚く御礼申し上げたい。
f)最終報告会
11月は海外調査と国内ヒアリングが続き、政策提言内容の詰めと最終報告会の発表内容の検討が本格化したのは12月に入ってからとなった。
政策提言を行わなければいけないというプレッシャーが強いせいか、メンバーの議論は何を提言するかというところからスタートしていた。このため、主担当教員から、研究テーマであるジェンダー・ギャップに関して、どのような問題意識を持ち、どのようなところに着眼するか、その問題についての現状や現行施策はどのようになっているか(ファクトやデータの確認)、それらを踏まえてどのような作業仮説をたてるか、その仮説を裏付ける先行事例や先行研究はあるか、そうしたことを論じていった後に具体的な政策提言があるということを指摘し、この流れに沿って行うのが政策研究であり、最終報告会での発表もこの流れに沿って組み立ててほしいと要求した。1週間前にはリハーサルを行うとすると、残された時間は10日あまりで、正直間に合うかどうか冷や冷やしながらメンバーの検討と準備を見守ったが、1週間前には形になったものができあがり安堵した。
中間報告で課題として残った市町村議会と中小企業をターゲットにすることの意味付けについても、ヒアリング活動から得られた数々の示唆をもとに、自分の生活に関わる場が変わるという実感が社会全体の意識を変えることや、市町村議会が中央政界の人材供給源となっていること、中小企業が地域社会と密接に結びついており、中小企業でのジェンダー平等が地域社会の価値観や行動の変容につながるという意味付けを行うことができた。
また、韓国での海外調査において複数の訪問先で効果が高いと言及のあった「ファミリーフレンドリー認証制度」について、帰国後に韓国の資料を調査し、そこから政策提言に結びつけることができた。我が国ではほとんど紹介されていない韓国の認証制度をきちんと調べ、提言に結びつけたことは、海外調査を実施する国際ワークショップならではの成果といえる。
発表内容を固める作業に時間を要した分、質疑応答の準備や練習にほとんど時間を割くことはできなかったが、提言までの考察の過程をしっかりと報告に組み立てたかいもあって、質問に対する回答も想像していたよりずっと立派で堂々としたものであった。(もちろん、詰めの甘いところは教員からの質問でしっかりと指摘されていたが。)最後の主担当教員のコメントでは、これまでの研究の過程を振り返って、メンバーの健闘を褒め称えつつ、今後のメンバーの成長を期待して、いくつかの課題(後述)について指摘した。
g)後期(年明け以降)
最終報告会の日程が年内のワークショップ最終回と重なっていたこともあり、打上げの余韻もさめやらぬ報告会翌日に、最終報告書の作成に向けた段取りを打ち合わせて、年内の活動は終了した。
年が明けてからは、まずまだ内容の確認が済んでいないヒアリング記録を訪問先に送り、内容を確認することから始めた。時間を割いてヒアリングに協力してくれた相手側が伝えようとしたことをしっかり文字に落とし込み、相手側の業務の状況も考えてスケジュールを組んで確認を依頼し、期限に間に合うように回答をいただくことも、貴重な経験となる。訪問先の皆さんのご協力もあり、なんとか最終報告書の提出期限までに内容確認を終えることができた。また、引用表記も統一的な方法で整理するよう指示した。直前には、深夜にわたって引用表記と参考文献リストの照合作業を行うことを要したが、なんとか期限内の提出に漕ぎ着けることができた。
(イ)ワークショップの進め方
定例のワークショップは毎週火曜日の3限から5限に行い、それ以外に随時自主ゼミを行う形で進められたが、近年の就職活動の早期化の影響もあってか、自主ゼミになかなかメンバーが集まらないという苦労もあったようである。
ワークショップの運営面では、メンバー間で話し合い、特定のリーダーを決めずに、1回ごとにリーダーを持ち回りで担当するというやり方でスタートした。他のワークショップの様子を聞いても同様の方法がとられていたようで、これが最近の学生のやり方なのかと感じた。ただ、中間報告会の準備が山場に差し掛かるにつれて、誰がリーダーなのかあやふやになっていったのが反省点である。後期は海外調査もあり、最終報告会の発表準備や最終報告書作成という重い作業が続くこともあり、持ち回りでも構わないから誰が中心となって連絡調整を行うのかをはっきり決めて欲しいと投げかけたところ、後期はメンバー2名が協力してリーダー役を果たすという分担に落ち着いた。
グループ研究が個別研究の寄せ集めのような形にならないよう、極力個別の提言内容も含めて全員で議論するようにした。早い段階で、ジェンダー・ギャップの大きい政治分野と経済分野をターゲットに設定したが、具体的な政策提言内容もにらみながら、全体のストーリーをどのように組み立て説明するか、最終報告会の間際まで苦心した。
副担当には、年間を通じて西岡晋教授、前期は宇田川尚子教授、後期はJICAから新たに赴任された小林雪治教授に入っていただいた。海外調査や国内のヒアリングにも同行いただいたほか、主担当教員は、何かにつけ副担当の先生方に話を振って意見やアドバイスを求めたので、この場をお借りして感謝申し上げたい。本年度から制度化されたチューターは、昨年度に主担当教員が担当したWSBメンバーの津田京香さんに務めていただいた。初期の頃には出張計画や出張報告の連絡、ヒアリング先へのお礼などサポートいただいたほか、昨年度どういうことに苦労したか、どのようなことを考えて報告準備をしていたか、いつまでに何ができてないといけないかなど、メンバーに近い立場でアドバイスをいただき、メンバーをリードしていただいたことに深く感謝申し上げたい。
(3)成果
(ア)最終報告書
最終報告書は、全5章で構成されている。
第1章は研究概要で、ジェンダー・ギャップの考え方や問題の背景、ジェンダー・ギャップの現状をまとめている。第2章は研究手法で、行った文献調査、ヒアリング調査、海外調査の概要をまとめている。この第1章、第2章が導入部分である。
第3章は現状と課題として、研究対象とした政治分野、経済分野において、データでジェンダー・ギャップの現状と現行の施策をレビューした上で、それぞれの課題を整理している。その上で、政策提言の対象となる政策課題を設定している。
第4章は本報告書の中心的な内容となる政策提言である。前章で設定した政策課題ごとに、現行の政策の分析と課題を論じた後、国内外の先行事例を紹介しつつ、全体で9つの具体的な政策提言を行っている。
第5章に研究全体の総括として、研究全体のまとめを置いている。
最終報告書の作成過程においても、最終報告会での報告同様、研究対象とした政治分野、経済分野それぞれについて、現状や現在行われている政策をきちんとレビューした上で、そこから課題を抽出し、政策提言のターゲットとなる政策課題を設定するという手順を踏んで報告書にすること、それを通じて、なぜこの課題を政策提言のターゲットとして設定したのかをきちんと説明することが必要であると指摘し、全体を再構成するよう求めた。また、個々の政策提言についても、いきなり提言内容から入るのではなく、設定した政策課題について現在行われている政策を分析し課題を明らかにした上で、その課題のソリューションを考える上で参考となる先行事例をとりあげ、それらを根拠に具体的な政策提言に持っていくという型で論じるように徹底した。主担当教員の意図としては、実際に政策を考えたり、考えた政策を説明したりするときの頭の中の組立てを、この最終報告書の執筆を通じて体感してもらいたいというねらいがあった。1年間ともに研究を進めた同志として、こうした流れでものを考え、説明していくことが重要だというメッセージがメンバーに伝わっていることを願いたい。
(イ)ワークショップを通じた能力育成
まずは、ジェンダー・ギャップという抽象度が高く、しかし掘り下げると沼のように深い問題について、自分たちなりに考えて提言をまとめたメンバーの頑張りを称えたい。
メンバーの成長を感じた点を2点あげたい。現場力を重視するワークショップ活動の特性上、直接ヒアリングで聞いた話の印象が強く、政策提言に向けた検討もヒアリングで聞いた話からの発想が多くなるのはやむを得ないことではあるが、これまで述べてきたように、最終報告会の報告内容や最終報告書の執筆の過程では、提言のアイディアに関する施策の現状や指摘されている課題、関連するデータやファクトを確認した上で、作業仮説を立て、先行事例や先行研究でその妥当性を裏付けて提言内容を組み立てることを求め続けた。提言の内容を考えるだけでも大変なのに、期限が迫る中でこうしたことを求められて、最初はメンバーも目を白黒させていたが、こうしたプロセスを体感していただけたことがメンバー一人一人の成長につながっていると実感する。
また、誰しも得意なことと不得手なことがある。分担して作業しても進捗は一様ではない中で、メンバーが互いのことを理解して、最終盤ではフォローし合うチームワークもみられるようになった。これもメンバーの成長を感じる出来事であった。
来年度個人研究に臨むメンバーの成長と公共政策ワークショップのプログラムとしての発展を願って、課題も指摘しておきたい。確かに、課題は現場にあり、解決策のタネも現場にあるが、どこかでうまくいっていることを拾ったら政策提言になるほど甘くはないし、政策がよくわかっている人ほど、いかに「好事例の横展開」がしないかを知っている。先駆的な取組みをしているところにヒアリングに行ったとしても、何を聴くかで成果は大きく変わるし、現場で聴いた話の断片をつないでロジックを組み立てる力も必要となる。
議論の過程でも、「◯◯のヒアリングでこんなこと言ってなかった?」というと「ああ、そういえば‥」ということがしばしばあった。これではどんないいヒアリングができても宝の持ち腐れとなってしまう。常日頃からの社会課題に対する問題意識や、データやファクト、どんな議論や研究が行われているかについての情報収集が、ヒアリングにおける感度を上げるとともに、現場で聴いた話の断片の空白を埋め、よりよい政策形成につながるということを指摘しておきたい。
ワークショップを通じて、ジェンダーという切り口で社会経済の問題を考えることの重要性を理解いただけたのではないかと思う。これからの人生の中で、メンバー自身が、これまでの社会経済の当たり前を当たり前とせず、どのように行動していくか、それによって社会がどのように変わっていくのか、とても楽しみである。