WSCは、「国民から理解と支持を得られる国際協力~共創と環流の実現に向けて~」というテーマのもと、政策研究に取り組んでいます。今回は、9月27日(日)から10月4日(日)まで、WSCの所属学生及び教員がカンボジアの首都プノンペンを訪問し、ヒアリング調査を実施しましたので、その概要を報告します。
初日は、JICAカンボジア事務所と在カンボジア日本国大使館を訪問しました。日本の対カンボジア協力の内容などについて理解を深めました。

JICAカンボジア事務所

在カンボジア日本大使館
対外援助の窓口となっているカンボジア開発評議会(CDC)では、日本の協力に対するカンボジア側の受け止めなどについて話を伺いました。

カンボジア開発評議会(CDC)
この日のヒアリング調査の合間に、卸業者や衣類、食料品などの小売店が集まるオルセーマーケットを視察しました。学生たちは、混沌とした中にも熱気と活気があふれる市場の様子を通じて、カンボジアの日常生活の一端を垣間見ることができました。


オルセーマーケットの内部
2日目は、午前中に国道1号線、ネアックルン(つばさ)橋などを視察しました。

国道1号線

ネアックルン橋(つばさ橋)
午後には公共事業運輸省(MPWT)を訪問しました。学生たちは、日本の協力による道路・橋梁の整備状況、他国の援助機関との違いなどをMPWT次官や日本人専門家から直接伺うとともに、現地での視察を通じてその状況などについて学ぶことができました。また、カンボジア日本人商工会の関係者からお話を伺う機会を得て、カンボジアでの日本企業の活動などについて理解を深めました。

公共事業運輸省(MPWT)
3日目は、カンボジア日本人材開発センター(CJCC)を訪問し、ビジネス人材育成や日本語教育などの現状について学びました。午後には、プノンペン水道公社(PPWSA)を訪問し、カンボジアにおける上水道事業の運営状況について話を伺い、日本の協力によって整備された浄水場を視察。「プノンペンの奇跡」と称される水道水を実際に試飲する機会も得ました。その後、日本・カンボジア友好橋を視察しました。

カンボジア日本人材開発センター(CJCC)

「プノンペンの奇跡」の水道水(プノンペン水道公社(PPWSA))

ODAで整備した浄水場の様子

チョルイチョンバー橋(日・カンボジア友好橋)
4日目は、カンボジア地雷対策センター(CMAC)を訪問しました。日本の地雷除去支援の現状や地雷探知機ALISの活用状況について説明を受けるとともに、カンボジアで蓄積された知見や技術がウクライナなど第三国の地雷除去にも活用されていることを知ることができました。午後には、郵政通信省(MPTC)を訪問し、サイバーセキュリティ能力向上プロジェクトなどの進捗状況を確認しました。また、元JICA留学生で、現在は世界銀行カンボジア事務所に所属するコンサルタントからも話を伺い、カンボジア人としての視点と国際機関の視点から、カンボジアの現状や開発課題について理解を深めることができました。


カンボジア地雷対策センター(CMAC)

郵政通信省(MPTC)
このほか、歴史・文化施設の訪問も、カンボジアへの理解を深める機会となりました。王宮及び国立博物館では、カンボジアの歴史や文化について学びました。トゥールスレン虐殺博物館では、ポル・ポト政権下の大虐殺がカンボジア社会に及ぼした影響について学ぶことができました。現在に至る人材育成における課題や社会の復興・発展を考えるうえでも、こうした歴史的背景を理解することの重要性を認識しました。

王宮

国立博物館


トゥールスレン虐殺博物館
今回の調査では、これまでの日本の協力がカンボジア側に認知されており、引き続き日本からの協力に対して信頼と期待が寄せられていることを関係者へのヒアリングなどを通じて認識しました。様々な国や機関からの支援がカンボジアで行われている中で、カンボジア側が日本との協力も含め各国との協力関係を自国の開発ニーズに応じて活用していることもうかがえました。さらに「共創と環流」の具体的な姿やその可能性についても理解を深めることができ、今後の日本の国際協力のあり方を検討するうえで、大変有意義な調査になりました。今回のヒアリング調査で得られた知見を今後の研究活動に活かしていきたいと考えています。
今回の海外調査は、