東北大学公共政策大学院入学試験第1期募集
小論文問題(令和2年10月1日・2日実施)
次の4題のうちから1題を選んで論じなさい。
【内政関係】
1.我が国では、少子・高齢化や人口減少の進展を見据え、医療・介護サービスにおけるロボット・AI・ICT等の実用化やデータ利活用の推進に向けた取組が進められている。しかしながら、今般の新型コロナウイルス感染症への 対応を通じて、特に行政のデジタル化の遅れも指摘されている。
健康・医療・介護・福祉分野におけるデジタル化について、近年の施策を一つ取り上げ、その内容と成果について論述するとともに、デジタル化推進に向けての課題及び今後必要となる政策について、あなたの考えを述べなさい。
2.東日本大震災以降、我が国では毎年のように地震や豪雨、台風等による激甚な災害が発生しており、被災した市町村では職員が対応に奔走する状況が繰り返されている。特に人口が減少し住民の高齢化が進んでいる地域では、従来は地元の消防団が災害対策に大きな役割を果たしてきたが、若い世代の住民が減ったことで消防団の構成員も減少し、組織が機能しない状況も見られるようになってきた。また市町村の職員数を増加させることも難しく、災害への対応が困難になってきている。
以上を踏まえ、高齢化が進展している地域における今後の災害対策のあり方について、あなたの考えを述べなさい。
【経済関係】
3.本年3月に公表された平成30年の「農業・食料関連産業の経済計算(概算)」では、農業・食料関連産業の国内生産額は117.3兆円(このうち農林漁業は12.5兆円、食品産業[食品製造業、関連流通業、外食産業]は99.9兆円)と、全経済活動の11.2%を占めている。
農林漁業、食品産業が地域の経済に果たす役割を踏まえて、農林漁業、 食品産業の振興をどう図るべきか、課題や国の施策も論述した上で、あなたの考えを述べなさい。
【国際関係】
4.環境・気候変動、核軍縮・不拡散、紛争解決や平和構築、貧困、感染症など顕在化する地球規模の諸問題に対処するにあたって、国際機関の重要な役割が求められる。新型コロナウイルス感染症への対応にあたっては、本年7月に国際連合安全保障理事会(以下「安保理」)の決議(S/RES/2532)が採択された。
地球規模の諸課題に対処するにあたり、我が国にとっての国際連合の重要性、国際連合の主要機関である安保理の役割及びその重要性、今日の安保理の機能的な限界、その改革の必要性について、あなたの考えをそれぞれ述べなさい。
2021年4月入学用(第1期募集)