東北大学公共政策    

ワークショップC 活動報告・第2弾

駐日大使館、国連・人間の安全保障ユニットへのヒアリング

2020年度のワークショップCでは「人間の安全保障―その有用性と国際的な推進」をテーマに研究を進めてきました。「人間の安全保障」アプローチとは,すべての人々・コミュニティの保護と能力強化に資するべく、人間中心の、包括的で、文脈に応じた、予防的な対応を求めるものです。

今年はCOVID-19の制約があったため、例年の海外調査は断念せざるを得ませんでしたが、東京にある複数の駐日大使館(ノルウェー、パナマ、スロベニア、タイ)を訪れ、各国の外交官へヒアリングを実施しました。パナマ、スロベニア、チリは大使自らもご参加いただき、ヒアリングにご協力いただきました。また、オンラインも最大限に活用し、スイス、太平洋を越えてチリ本国外務省、そして14時間の時差のあるニューヨークの国連・人間の安全保障ユニットにもヒアリングを行いました。

駐日ノルウェー大使館でのヒアリング終了後の集合写真 2020年11月10日

駐日スロヴェニア共和国大使館でのヒアリングの様子と集合写真 2020年11月24日

在京タイ王国大使館でのヒアリングの様子 2020年11月25日
在日スイス大使館へのヒアリングの様子 2020年11月17日
駐日チリ大使館・チリ本国外務省へのヒアリングの様子 2020年11月26日
国連・人間の安全保障ユニットへのヒアリングの様子 2020年12月11日

アポイントメントを取る段階からインタビュー実現まで終始、英語でのコミュニケーションとなりましたが、先生方の力もお借りしつつ、メンバー間で協力し合って実現することができました。

文献調査からは感じ取ることのできない、各国外交官との直接のやりとりを通じ、各国の持つ「人間の安全保障」という概念・アプローチへの理解や国際的普及に向けての姿勢を目の当たりにし、多くを学ぶことができました。また、国連において国際社会での「人間の安全保障」の理念の普及と実践を目的として活動する、人間の安全保障ユニットの担当責任者へのヒアリングでは、本ユニットが運営する基金が抱える課題、そして外務省もまだ入手していないと思われる最新の取組みまで、大変有意義かつ貴重な情報を提供していただきました。

2020年12月22日の最終報告会、最終報告書には、各国の駐日大使館、そして国連人間の安全保障ユニットへのヒアリングで得た、我々の提言をサポートする調査結果を十二分に反映させるよう取り組みました。日本が「人間の安全保障」について主導を推進していくことに強い期待が寄せられていることは、我々の取組みに自信を与えてくれました。

WSCでしか体験できない貴重な経験を得るとともに、大変充実したヒアリング調査となりました。ご協力いただいた各国・機関の皆様には深く感謝申し上げます。

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