東北大学公共政策    

夏季集中「環境・コミュニケーション演習」を福島県裏磐梯で開催!


  

東北大学公共政策大学院・法学部合同の夏季集中「環境・コミュニケーション演習」が2023年8月29~31日の2泊3日、福島県裏磐梯で開催されました。前回昨夏に引続き、江口教員の引率・指導の下、大学院生と法学部生の計14名が参加し、EN RESORT Grandeco ホテル、グランデコ裏磐梯自然塾、福島民友新聞社他の関係者の皆様方の温かい御協力も頂き、連日猛暑の仙台から離れた標高約1000メートルの高原で過ごしやすい好天にも恵まれました。

初日は、先ず新聞演習として福島民友新聞社の方より、新聞の歴史と現代社会における役割、見出し等の紙面構成、記事による情報発信の手法・特長、見出しの付け方等について解説を頂き、記事・見出しの添削指導等も後日頂きました。読み手にとって簡潔で分かり易い文章の書き方等、新聞に限らず公共政策他でも極めて有用有益な内容でした。次に、グランデコ裏磐梯自然塾インストラクターとの演習に移り、室内机上・座学・オンラインでは体感が難しい屋外で、森や水等の役割と重要性を学び、地球誕生後46億年の歴史を表す「地球の道」を踏査しつつ、地球、生物、人間の関わりについて理解を深め、様々な五感で自然環境とその大切さを実感しました。「地球は子孫から借りているもの」と記された重い石と言葉が、夕暮の雄大な磐梯山も背景に大変印象的でした。

2日目は、海外から国内への移入後に繁茂・繁殖している特定外来生物(オオハンゴウソウ、ウチダザリガニ)について、在来種や他の生物への影響等も学びつつ、防除・駆除活動を実際に体験しました。一旦拡大するとその後の対策は容易でなく、未然防止の重要性も痛感しました。続いて、磐梯朝日国立公園において美しく有名な五色沼の探勝路を、動植物や自然に関する解説も頂きながら踏破しました。高くそびえる磐梯山も眺望でき、四季毎に多彩な自然の素晴らしさや生物の多様性の保全、散策路整備や立入禁止箇所の表示等の管理・持続可能な利用の重要性を実感しました。午後は、お互い初対面が多い参加者間で、「伝える」「聞く」をテーマに、自分だけでなく相手の立場にも立ったコミュニケーション演習をゲームも交えて楽しく行いました。自ら「伝える」と相手に「伝わる」の違い、自然や動植物に成りきった観点(もしも自分が○〇だったら)から、影響を及ぼす側と受ける側を言葉と身体で表現する演習を行い、夜には各自で創意工夫を凝らした発表に向け準備と予行練習を行いました。

最終の3日目は、先ず各自が準備練習した言葉と身体による表現の成果を発表し、他の生徒からのコメント・感想も通じて、各々の視点・個性・多様性も改めて感じられました。最後に、今回演習の集大成として、草木等の自然の立場に立ってみた場合に言いたい事や全体として語りかけたい事について、全員が理解力・想像力・観察力・描写力等を屋外で全面的に駆使し、それぞれ思いを込めた詩画として表現する演習と作品発表会を行い、予定通り終了しました。

初日到着開講時と最終日閉講出発時では、参加者の表情や雰囲気も一変し、楽しく充実した貴重な演習になりました。大きな糧として、今後の勉学・生活・活動にも大いに活かされるでしょう。

関係者の皆様に改めて厚く御礼申し上げます。


2023年8月30日 福島民友新聞社より

東北大生ら「自然塾」体験! 裏磐梯で合同授業、NIE講座など

自然塾のプログラムを体験する学生ら

東北大は29日、北塩原村のENリゾートグランデコで新聞の活用法や環境との関わり方などを取り入れた授業「環境・コミュニケーション演習」を始めた。学生らが裏磐梯の雄大な自然の中で、授業で新聞を活用するNIE(教育に新聞を)講座や、グランデコ裏磐梯自然塾のプログラムなどを学んでいる。

法学部と大学院法学研究科による合同授業で、4回目となる今年は学生14人が参加した。ENリゾートグランデコや五色沼など裏磐梯を舞台にして31日まで行われる。

初日のNIE講座では福島民友新聞社の村上勝則編集局総務が講義を行った。村上総務は「文章は誰でも理解できるように書こう」と語りかけ、結論から先に書くことや事前の情報収集の大切さなどを解説。参加者は新聞記事の書き方をヒントに、分かりやすく伝える技術に理解を深めた。

自然塾では学生らが専門インストラクター遠藤圭一さんの指導を受け、脚本家倉本聰さんが考案したプログラム「緑の教室」「石の地球」などを体験した。

30日は環境体験プログラムとして外来種のオオハンゴンソウやウチダザリガニの駆除、最終日はコミュニケーション演習で詩画作品の制作に取り組む予定。


 

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