東北大学公共政策    

ワークショップBが現地報告会を開催しました(2/18-19)

今年度のワークショップBのテーマは「広域合併自治体の行政体制と旧町村の地域振興に関する研究 ~山形県鶴岡市の事例から~」という地域密着型のものであったのみならず、人口減少が著しい朝日地域及び温海地域といった旧町村を単位として、将来に向けた地域の持続力の維持向上を図ろうとするものであった。合併により日本で10番目の広域自治体になった鶴岡市の中で、その課題を追求するためにワークショップで目指したことは「役所の先」の地域、住民生活そして経済活動の実情の考察であったが、市役所朝日支庁及び温海支庁に多大なご助力をいただき、地域づくり協力隊員やUJIターン者、自治会や地域おこしのNPOなど、地域に根差して生きる多くの方々から9月から11月にかけてお話を伺う機会を得ることができた。

そうしたご協力への返礼も兼ねて、現地報告会は鶴岡市役所本庁舎での鶴岡市長への報告に先立つ形で、担当する地域にメンバーが分かれて報告会を行った。日曜日であったにも関わらず、支庁職員以外に朝日地域では10名、温海地域では7名の方々にお集まりいただき取りまとめた政策提言について説明を行った。熱心にお聞きいただいた後は感想をいただいたり有意義な意見交換を行うことができた。朝日地域では地域振興のための調査研究フィールドとして長年関わってきた東北公益文化大学の武田真理子教授から励みになるコメントをいただく機会にも恵まれた。

朝日地域

 

温海地域

 

翌日の皆川鶴岡市長への報告では、公務忙しい中1時間もの時間を割いていただいた。報告書の贈呈後、政策提言についてプレゼンテーションの機会をいただいたが、市長からは切りのいいところで各提言に対して丁寧なコメントをいただいた。市長の発言には、市勢発展のために様々な分野で鋭意取り組んでいる自負が感じられたが、ワークショップの経営が関わる類の提言については、地域の中で誰がリスクをとって行うかという課題について言及があり、その点は提言の中でもう一歩踏み込む余地があったかもしれない。

 

これにて本ワークショップの活動は、報告書の最終校正を残すのみで概ねフィナーレを迎えるに至った。前日の両地域での報告会でもそうであったが、これを機に今後とも鶴岡と付き合ってほしい、力を貸してほしいという言葉を多くいただいたのは、11か月にわたる調査研究活動に対する最高の労いである。是非大学院生の一年間、地域密着型で行った濃厚な調査研究活動を今後の人生の糧として、細くとも長くその地域振興に思いを馳せていてほしいと感じる次第である。

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