ワークショップCでは、「国境を越える特殊詐欺の撲滅」をテーマに教員4名、学生9名で共同研究に取り組んでいます。
6月11日には、宮城県警察中央警察署の方々に宮城県内の特殊詐欺対策や広報啓発活動の状況についてインタビューを行いました。実際に特殊詐欺犯を逮捕した方にお話を伺い、犯罪の実態や捜査の難しさ、特殊詐欺は私たちの身近な場所で起きているということを再認識することができました。
また中央警察署の管轄内で行っている広報啓発活動についてお話を伺いました。電子マネー購入者に特殊詐欺への警戒を呼びかける封筒を配布してもらうといった地域と連携した活動で犯罪の通報 件数が実際に減少したなど、具体的な広報活動の取り組みを聞くことができました。
インタビュー後は、中央警察署の方と一緒に、仙台駅で特殊詐欺対策キャンペーンを行いました。各メンバーが対策グッズを歩行者に手渡し、直接注意を呼び掛けました。グッズを手渡す以外にも、歩行者に向けて注意を呼びかけるDJポリスに挑戦しました。中央警察署でお話をいただいた耳に残る広報啓発活動について教わったポイントを意識しながら実践し、広報活動の難しさや市民の意識等について学ぶことができました。
これらの活動を通し、特殊詐欺は私たちの身近な場所で起こっており、誰でも加害者や被害者になり得ると再認識することができました。机上の調査だけでは湧きにくかった当事者意識を肌で感じることで犯罪に巻き込まれる方々を想像しながら、政策提言案を考えるきっかけとなりました。
また同日、東日本電信電話株式会社の方々に、特殊詐欺に使われることの多いツールである固定電話について、犯罪への使われ方や導入されているサービス、他機関との連携協力についてお話を伺いました。
宮城支店の方に加え、東京から担当の方をわざわざお呼びいただき、特殊詐欺対策に従事されている方だからこその課題意識をはじめ、文献調査やインターネット上ではなかなか得ることができない貴重なお話をいただき、大変参考になりました。
今後も特殊詐欺対策に関係する省庁、民間企業、警察等にインタビューを行いながら、特殊詐欺の全体像、現場の状況とを照らし合わせ、政策提言案を作成していきます。
ご協力いただきましたインタビュー先の皆様に改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。