東北大学公共政策    

2025 WSD 活動報告 【秋田遠征】

皆様、こんにちは!2025年度ワークショップDです!

私たちワークショップDでは、この一年を通じて「東北から再エネと自然との共生を通じた豊かな地域づくりを考える」をテーマに、年末に迫った政策提言に向けて研究を続けています。WSDでは、先の中間報告会で見つかった課題のさらなる探求と、夏季休業期間中に考えた仮説を検証するべく、メンバーの一部で9月29日~30日にかけて秋田県にヒアリングに伺いました。一泊二日で以下の四か所にヒアリングをそれぞれ実施しましたので、今回はそのご報告になります。

◇ にかほ市役所様(9/29 午前)
ゾーニングマップ作成当時の背景や手法、その後の活用について伺いました。特に、ゾーニングに関する市役所の果たした役割、そして住民理解を目指す上で、どのような施策を講じたかについての知見が深まりました。具体的には、多様な住民意見を反映するための住民説明会、ワークショップの実施、また関心が薄い層に対して新聞や広報等によるアンケートを実施することによって、ゾーニング作成においてより多くの地域住民を巻き込む施策とその努力について伺うことができました。その他にもにかほ市が現在抱えている課題等もお伺いすることができ、秋田ヒアリングの最初の行程としてとても良いスタートダッシュを切ることができました。今回ご協力いただきました職員の方々は、現在はそれぞれ違う部署にいらっしゃり、多大なお手間をおかけしてしまいましたが、朝早くからご協力をいただき誠にありがとうございました。


(にかほ市金浦公民館前にて職員の方々と)

◇ 由利本荘・にかほ市の風力発電を考える会様(9/29 午後)
次に、旧由利郡の地域住民の皆様を中心に構成される「由利本荘・にかほ市の風力発電を考える会」の事務所に伺いました。まず会員の皆様の立場としては、「風力発電の導入には慎重な検討が必要」というもので、これまでに行ってきた活動の数々について伺いました。そこでは鳥海山をはじめとする地域の自然環境、歴史・文化への配慮を欠くと受け取られる事業、星空観察への影響や低周波音がもたらす健康被害に関する懸念が示され、こうした声を合意形成にどう組み込むかが改めて課題として浮き彫りになりました。そして、その合意形成について、行政と地域住民との間で認識の隔たりがあることが分かり、メンバーの中には提言しようとする政策に対してニーズがしっかりと存在することが確認できたものもおり、大変充実した時間となりました。


(事務所でのヒアリングの様子)

◇ 佐藤直己様(9/30 午前)
2日目は、現在ローカルでんき株式会社にお勤めであり、個人としても一般社団法人LEIを立ち上げ、地域のエネルギー事業にご尽力されている佐藤直己様にお話を伺いました。実際の地域新電力事業での実務経験から、「地方における電力ビジネスの条件」、「中間支援組織の役割と課題」について伺いました。こうした佐藤さんのこれまでのご経歴を伺った後に、私たちが作ってきたこれまでの仮説について確認をする機会をいただき、そこではこれまで見落としていた制度設計上の問題点を指摘いただくのみならず、温かく背中を押していただく場面もありました。私たちにとって、ある意味で再スタートをきる形となり、後期に向けて取り組むことが明確になったメンバーもいました。当日は予定時間を大幅に超過する中、最後まで私たちのヒアリングにお付き合いいただき誠にありがとうございました。


(秋田市某所にて)

◇ 秋田港視察(9/30昼)
昼食の後に、私たちは秋田港を視察に訪れました。秋田港は、県内でも大規模に洋上風力発電施設、並びに太陽光発電施設が稼働している場所になります。特に、洋上風力発電事業に関しては、文献等で知識として理解するのと、実際に目で見るのとでは受け止め方が大きく異なるものであると実感しました。その光景は壮大であると同時に、前日にヒアリングをした方々の、再エネ施設が住居に隣接していることの影響について考えさせられる機会となりました。

 
(上:洋上風力発電施設、下(写真中央右):太陽光発電施設)

◇ 秋田県庁産業労働部クリーンエネルギー産業振興課様(9/30 午後)
最後に、本ヒアリングの最終行程となる秋田県庁に伺いました。こちらでは、洋上風力発電事業や温暖化対策区域施策についてヒアリングを行いました。洋上風力事業では、漁業への影響を心配する漁業者をはじめとしたステークホルダーとの合意形成に苦労したこと、そして事業者も地元との共生に努めているということを聞くことができました。また地球温暖化対策地方公共団体実行計画区域施策編については、私たちが調査を行った時よりも、はるかに多くの県内の市町村においても策定が進んでおり、これまでの改善点も踏まえた上で県庁から積極的にアプローチを行っていたことが確認できました。当日は時間的な制約もあり、私たちから矢継ぎ早に質問をする形となってしまいましたが、大変お忙しい中貴重な時間を捻出いただき誠にありがとうございました。


(県庁舎内にてヒアリングの様子)

夏季休業最後の宿泊を伴うヒアリングとして、本調査はメンバーの中には仮説を磨き上げる者、そして新たな仮説を立て、それを立証しようとする者がおり、各人にとって最終報告会に向けた研究を加速させる大変重要な契機となりました。
改めまして、お忙しいところ私たちのヒアリングにご協力いただきました皆様にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。

今後とも私たちワークショップDをよろしくお願いいたします。

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