東北大学公共政策    

2026 WSA 活動報告 第一弾【山形花笠まつり訪問】

2026年度のワークショップAでは、「人口減少下でも持続可能なまちをつくるために山形市が進めるべきことは何か」をテーマに、本公共政策大学院が立地している東北地方の県庁所在地で中核市の一つである山形市をフィールドにして、9名の学生が調査研究を進めています。

8月5日には、その活動の一環として、学生有志のメンバーと担当教員で、山形市における代表的な真夏の行事である「山形花笠まつり」を訪れました。これまでのワークショップでは、市役所へのヒアリングや各種行政計画・統計資料の分析を中心に研究を進めてきましたが、今回はそうした調査とは異なり、研究対象である山形市の文化やまちの様子を実際に見て、体感する機会となりました。

(山形花笠まつりの会場にて)

当日は、中心市街地の目抜き通りを舞台に、花笠を手にした踊り手によるパレードが行われ、沿道にも多くの観客が集まりました。普段は人や車の行き交う道路が、この日は大勢の人が文化を楽しみ、同じ時間と空間を共有する場へと変わる様子が印象的でした。実際にその場を歩いたことで、文化行事には地域の魅力を発信するだけでなく、人々をまちなかへ呼び込み、人の流れや交流を生み出す力があることを、自分たちの目で確かめることができました。

(中心市街地を進む山形花笠まつりのパレード)

また、花笠まつりは観客として楽しむだけの催しではなく、多くの人が踊り手として祭りをつくる側にも加わっています。当日は、ワークショップAの学生たちも実際に踊りに参加し、花笠まつりを自ら体験しました。踊り手として参加する側と沿道から楽しむ側とが近い距離で同じ空間を共有する中で、文化は鑑賞するだけのものではなく、多くの人が自ら関わることにより支えられていることを、より身近に感じることができました。

ワークショップAにおける調査研究では、文化分野に関して、市民が継続的に文化に関わる機会を広げることや、文化の担い手が活動する機会を確保することについて検討を進めています。そのため、多くの人が踊り手や観客として文化に関わる花笠まつりの様子は、私たちが研究内容を考える上でも示唆に富むものでした。

(花笠を手に踊る参加者の様子)

一方で、花笠まつりのような大規模な行事で生まれる文化との接点やまちなかのにぎわいを、行事の開催期間だけにとどめず、日常の文化活動や継続的な市民参加へどのようにつなげていくかという視点も重要です。祭りでは多くの人が文化に関わっているからこそ、こうした関わりを日常の中にも広げることができないかという問いについて、今回の訪問活動を通じてより具体的に考えることができました。

今回の活動を通じて、文化が実際のまちの中でどのように人を集め、どのように多くの人々の参加によって支えられているのかという、ヒアリングや文献調査だけでは把握しにくいことを直接確かめることができました。今後は今回の経験も踏まえながら、文化への継続的な参加や担い手の活動機会の確保、文化とまちなかとの関係などについてさらに調査を進め、人口減少下における山形市の持続可能なまちづくりにつながる方策を検討していきます。

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